東京オリンピックに続き、パリオリンピックでもベスト8と悔しい結果に終わったバレーボール男子日本代表。
そのチームの主軸を担う2人の若きエース、髙橋藍(23)と西田有志(24)はパリオリンピックをこう振り返る。
この記事の画像(6枚)髙橋:
「思い出したりしますね。やっぱりあれを勝っていれば自分たちが目標にしていたメダルって所にもっと近づけた。思い出すたびに、悔しさが出てくる」
西田:
「あと一歩と言っても負けは負けですし。この上ない試合内容だったと思うんですけど、だからこそ結果がついてきてほしかったですし、そこのギャップに苦しんでいる」
52年ぶりのメダル獲得を目指したイタリアとの準々決勝。日本は序盤から攻勢に出ると、2セットを連取する。3セット目も優勢にゲームを進め、マッチポイントを迎えるが、あと1点が取れず、絶好のチャンスを逃した日本。そこから3セットを奪われまさかの大逆転負けを喫した。
最後の1点を取りきるために足りなかったものとは…。
2人のエースは4年後に向け、ある決断を下した。
髙橋藍の決断
髙橋は高校時代、春の高校バレーで日本一を成し遂げた。そのわずか1ヶ月後には日本代表に選出。東京オリンピックでは全試合にスタメン出場し、攻守両面でチームを支え、29年ぶりのベスト8進出に大きく貢献した髙橋。
その後、さらなる成長を求め、世界最高峰リーグ、イタリア・セリエAに挑戦した。
髙橋が目指すバレーボール選手としての理想形は見るものを魅了するプレーヤー。
髙橋:
「自分はやっぱ今までにいなかった選手になりたい。バレーボールをやっている子どもたちにバレーボールがすごく夢のあるスポーツだと伝えていく、見せていくってところも自分自身はやっていかないといけない責任でもある」
日本バレーの未来を担うエースとして、髙橋が下した大きな決断は日本に帰ってくることだった。
イタリアでの3シーズンを終えた今年5月、髙橋は「サントリーサンバーズ大阪」に移籍。10月から始まる新リーグ「SVリーグ」の開幕に合わせ、日本に帰還したのだ。
髙橋:
「3年間イタリアでプレーをしてどのように自分自身プレーできているか、通用するかっていうのが分かった中で、次は日本のリーグで自分がどのような成長ができるのかを試してみたいという思いもありましたし、もちろん世界のトップ選手になっていくことには変わりないので、常に高い意識を持ってやることはそうなんですけど、日本のバレーボールを盛り上げたいって思いでも、今回日本でプレーすることが重要なのかなって考えて日本でプレーすることを決定しました」
西田有志の決断
一方もう一人のエース西田は、18歳で日本代表入りし、憧れの石川祐希とともに出場した2019年のワールドカップで一気にブレイク。世界が驚愕するサーブを連発し、ベストサーバー賞に輝いた。
東京オリンピックでもエースの一角として日本のベスト8に貢献。
パリオリンピックではチーム最多81得点と再び輝きを放った西田。日本代表として走り続けた7年間だった。
そんな西田が下した決断とは…。
西田:
「これ以上にいいパフォーマンスを出すためにどういうことをするのかが今の現状見つからないから代表を1回休養する」
「1つ自分のレベルを上げるために代表活動を1回自分から離さないと、見えてこないものもあると思うので。他の選手が知らないような専門知識の体の使い方だったりとか、目の使い方だったりとか、そういったのは結局そういうのに時間をかけないと自分のものにはならないので。自分の中のプランではありますね。でもそれで代表に呼ばれなくなったら終わりですけどね。正直イチかバチかみたいなもんなんで、もうやるしかないですし。自分のものにしてロサンゼルスオリンピックを目指すっていうのが僕の中での成長過程だと思うので」
西田は一度日本代表を離れ、所属チーム「大阪ブルテオン」で成長を誓う。
新たな挑戦の舞台 SVリーグ
髙橋と西田がさらなる成長を誓い、選んだ新たな挑戦の舞台「SVリーグ」。2027年までに完全なプロ化、そして2030年までに世界最高峰のリーグを目指す新リーグだ。開幕戦では髙橋の所属するサントリーサンバーズ大阪と西田が所属する大阪ブルテオンが対戦する。
ここから始まる4年後への戦い。
髙橋:
「僕は勝つことしか考えていないので、やっぱり勝てる存在になっていたい。チームを勝たせられる選手にはなっておきたいのと、バレーボールも含めてもですけど、自分の目標としても、いろんなことに挑戦して、バレーボールをもっともっと大きなものにしていきたい、夢のあるものにしていきたいという思いがあるので、そういったものを少しづつ達成していってるというか、目標に近づけているというのが、僕の中での理想ですね」
西田:
「また1から始まるという気持ちでこの4年を作り上げていきたい。これから新しく取り組むところも、しっかりとレベルアップをしていかないといけない部分なので、そこは簡単な道ではないですけど、楽しみが多い道なので、自分は誰よりも努力をして誰よりも結果を出すということだけを自分の中で証明し続けられるように頑張っていきたい」
それぞれの決断が彼らをさらに強くするに違いない…。
10月11日、新たな舞台の幕開けとともに、彼らの新たなステージへの1歩が始まる。
『大同生命SVリーグ男子開幕戦』
10月11日(金)よる6時50分から フジテレビ系列生中継 (一部地域除く)
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