【パリ共同】第33回夏季オリンピック・パリ大会は26日午後7時半(日本時間27日午前2時半)から市中心部のセーヌ川を舞台に開会式が行われ、8月11日まで17日間の大会が開幕する。パリでの五輪は100年ぶり3度目で、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が続き、世界で分断の構図が色濃い中での「平和の祭典」となる。  近代五輪の創始者、ピエール・ド・クーベルタン男爵の母国に戻る今回は「広く開かれた大会に」をスローガンに掲げる。1900年の前回パリ大会で初めて門戸が開かれて以来、女子の参加は増え続け、今大会は史上初めて出場枠の男女同数が実現。ジェンダー平等の理念が反映された。  夏季五輪で初めて競技場外を舞台にした開会式はテロ対策で厳重な警備態勢が敷かれ、大会組織委員会によると、警察や憲兵隊約4万5千人を投入し、選手団の船上パレードなどに備えた。一方、フランス国鉄は高速列車TGVの路線網に25日夜から26日にかけて大規模な破壊行為があったと明らかにし、緊張が高まった。個人の中立選手(AIN)として出場するロシアと同盟国ベラルーシの選手は船上パレード参加を認められなかった。  日本選手団の選手数は海外五輪最多の409人で、海外開催では最多の金メダル20個を目指す。25日のサッカー女子1次リーグではC組の日本が優勝候補のスペインと対戦し、1―2で敗れた。  32競技、329種目を実施する大会には、イスラエルやパレスチナを含む200以上の国・地域や難民選手団を合わせ、約1万1千人の選手が参加する見通し。組織委によると、チケットは五輪史上最多の880万枚以上が販売された。新型コロナウイルス禍で原則無観客だった3年前の東京大会と異なり、開幕前に始まった一部競技の会場は歓声に包まれた。


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