(26日、第106回全国高校野球選手権西東京大会準決勝 日大三3―2創価)

 3連覇を狙う日大三を追いつめたが、好機にあと一本が出なかった。

 これまで0点に抑えられていた創価は六回、反撃を始める。無死二、三塁から内野ゴロで1点を返し、1点差まで詰め寄った。打席には今大会、打撃がいい主将で3番の井路端(いじばた)広明(3年)。だが、三振に倒れ、この回1点どまり。

 直後に追加点を許し、日大三の背中は再び遠くなった。創価の堀内尊法(たかのり)監督は「あそこが勝負でした。追いつけていたら、展開は違った」と振り返った。

 創価は昨夏8強入りしたが、新チームの始動はうまくいかなかった。練習試合でなかなか勝てず、井路端は「チームがまとまっていなかった」と話す。

 だが、井路端が中心になり、チームは少しずつ成長。昨秋の都大会は準優勝。今春も8強に進み、甲子園を狙えるチームに仕上げてきた。

 今大会は5回戦を逆転で勝つと、悪天候で継続試合となった準々決勝では早大学院を僅差(きんさ)で破って4強に入った。

 準決勝の相手は、優勝候補の日大三。堀内監督は試合前、「(創価は)安定感は都内屈指。でも、安定感だけでは甲子園に届かない。もっと上位校にいかに勝てるか」。昨秋は関東第一、今春は東海大菅生といずれも甲子園常連校に惜敗。成長の真価が問われる試合だった。

 だが、強豪の壁は厚かった。創価は2点を追う八回にも1死二、三塁としたが、ここでも中軸に一本が出ずに1点どまりに終わった。本塁打や適時打で中軸が全3打点を挙げた日大三と対照的だった。井路端は「土壇場での勝負強さ。日大三と自分たちの差を感じた」。

 ただ、日大三の捉え方は違った。創価は、エース土居賢士郎(3年)、森山秀敏(3年)の継投で九回まで投げ3失点。守備も無失策で、複数得点を許した回はなかった。日大三に追いつくことはできなかったが、突き放すこともさせなかった。日大三の三木有造監督は試合後、「苦しかった」と振り返った。

 甲子園の夢は持ち越された。井路端は試合後、こう話した。「力は全て出し切った。(甲子園出場は)後輩に託したい」=神宮(吉村駿)

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