サッカー・J1柏レイソルのFW細谷真大選手(22)がパリ・オリンピックを懸けた予選を前に、国内最後の一戦に臨んだ。今季初得点はお預けとなったが、同点ゴールに絡んだ。試合後はU23(23歳以下)日本代表として、五輪のアジア最終予選を兼ねたU23アジア・カップに向けてカタールへ出発した。
7日の東京ヴェルディ戦は前半10分に、U23日本代表でもあるMF山田楓喜選手(22)に先制点を許した。細谷選手からはまず反省の言葉が出た。
「前半が全てだと思う。自分たちがぬるっと試合に入ってしまったと、周りから見られても仕方ない」
0―1で折り返した後半開始から、柏はMF小屋松知哉選手(28)らを投入し、最前線と2列目の配置を大きく換えた。細谷選手はハーフタイムで受けた指示をこう語る。
「(相手DFの)背後(を狙う動き)が少なかったので、『そこをシンプルに突こう』という話などをした」
その後、細谷選手が力強い突破で相手ゴール前に攻め込む場面が増えた。そして後半28分。細谷選手がペナルティーエリア手前でDF関根大輝選手(21)から縦パスを受けた。自身とのワンツーを交えた連係からFWマテウスサビオ選手(26)が上げた右クロスに、途中交代で入ったばかりのFW木下康介選手(29)が頭で同点ゴールを挙げた。
「セキ(関根選手)がフリーでボールを持った状態で、自分がスペースを見つけられた。うまくそこに入り、(マテウスサビオ選手も)サポートに来てくれた」
関根選手もU23代表に選ばれ、パリ五輪の切符を懸けた戦いに一緒に乗り込む仲間だ。細谷選手は関根選手との連係面をこう語る。
「(互いの)感覚も合ってきている。代表でもそのような形でやると思う。もっと良い関係を作れる」
自身は今季開幕から7試合連続でゴールがないが、柏の井原正巳監督(56)はこう信頼を寄せる。
「チームのための献身的な走り、(相手DFの)裏へ抜けるスピードなどの調子も上がっている。シュート数も増えている。代表でゴールを挙げて五輪の切符をつかむことで、またチームに効果をもたらしてくれれば」
細谷選手も五輪最終予選に向け、決意を語った。
「リーグ戦でゴールがない中で迎えるが、しっかり切り替えたい。五輪の切符を取れるような活躍と、得点を奪えるように頑張りたい」
東京ヴには、五輪最終予選のメンバー選考が懸かった3月の国際親善試合2連戦でU23代表に選ばれながら、五輪最終予選のメンバーから外れたFW染野唯月選手(22)がいる。細谷選手は同じ茨城県出身で小さい頃から互いを知る同学年の染野選手にこの日、「頑張ってね」と声を掛けられた。多くの思いを背負い、五輪の切符をつかみに行く。【構成・高野裕士】
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