○広島6―2阪神●(10日・甲子園)
5試合ぶりの得点が入り、勝てた。そこにはあえて打った内野ゴロがあった。広島の小園海斗が、状況に応じた打撃を見せ、遠かった本塁に届いた。
一回、1番・野間峻祥が阪神の昨季10勝左腕・伊藤将司の出はなをくじいた。捕手のミットが真ん中へ動く甘い変化球にタイミングを崩されながらもバットに乗せて右翼線二塁打にし、得点へ絶好のチャンスを作った。犠打で1死三塁となり、打席に小園が入った。阪神の内野の守備位置は通常で、深い。小園は1球目をファウルした後の2球目を遊撃手の方向に転がし、野間が生還した。
試合後、新井貴浩監督は「あのショートゴロを見てね、小園も成長したなと感じた。追い込まれていないのにあそこは狙ってショートゴロを打ちにいった。いろんなものを背負っての打席。成長を感じた」と評価し、うれしそうだった。
6日の中日戦では先発野手全員安打も得点できず、9日は先発・床田寛樹が7回1失点、117球の熱投も報われず、最下位に沈んだ。4試合無得点では勝てない。新井監督は「重苦しい空気だった」と振り返るが、小園の一打に「みんなの気持ちを楽にさせた」とベンチの空気が変わったという。二回には足も絡めながら6長短打で5点を挙げ、4試合続いた無得点がうそのように、甘い球を見逃さなかった。チーム防御率は悪くないだけに、久しぶりにつながる感覚を得た打線が浮上の鍵を握る。【荻野公一】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。