国民民主党の代表役職を停止中の玉木雄一郎衆院議員が18日、東京都内で講演し、「年収103万円の壁」の引き上げ幅について、自民、公明両党が2025年度与党税制改革大綱に「123万円」と記載する調整をしていることについて「3党の幹事長間の合意は無視される形で大綱が決定されるのは驚きだ」と批判した。また、10月の衆院選に続いて来年夏の参院選でも自公が過半数割れするとの見方を示したものの、中小政党による多党化が進み「2大政党制の政権交代は二度と起きないのではないか」と述べた。
玉木氏は、これまでの税制を巡る議論について「自民党税調の数人の幹部で決め、政策決定過程もわからないことも多かった」と指摘。今回は、自公と国民民主の税調幹部による協議の場を設けたことを踏まえ「税制の話を表に出せたことは意義があった」と強調した。
また、国民民主が議席を4倍に増やした衆院選では、れいわ新選組や日本保守党などの中小政党も躍進したことを挙げて「価値観が多様化し、2大政党に収れんせずに分かれていく。これからは野党も与党も過半数を取れなくなる」として「穏健な多党制」の政治状況が定着するとの認識を示した。来年夏の参院選では野党として自公過半数割れに持ち込むというのが一致した戦略だとして、「その後の政治をどうするかが大きい」と話した。
「年収103万円の壁」を巡っては、自公国3党の幹事長が「178万円を目指して、来年から引き上げる」ことで11日に合意したが、17日の3党税調幹部の協議で自公は課税水準を123万円にする案を提示。国民民主の古川元久税調会長は記者団に「協議打ち切り」と述べて退出した。【遠藤修平】
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