年収「103万円の壁」を巡り、自民・公明は、引き上げ額123万円を来年度の税制改正大綱(翌年度以降の税制改正について、与党の税制調査会が内容をまとめる文書)に盛り込む方向で検討しています。
与党の過半数割れの中、協力を得られそうな国民民主党が引き上げ額を「178万円」と提案し、協議をしていたものの、打ち切りとなった背景があります。
18日、関西テレビ「newsランナー」 に出演した、政治ジャーナリストで元日本テレビ政治部記者の青山和弘氏は、『国民民主党のジレンマ』が浮き彫りになっていると解説しました。
■『国民民主党のジレンマ』が浮き彫りに
国民民主とすると178万円は譲れない。自民党と大きな開きがある中で今後のポイントは?
【政治ジャーナリスト・青山和弘氏】「本当に大きな開きがある中で、やっぱり国民民主党がどこまで譲るかという問題だと思うんですね。『国民民主党のジレンマ』というのが、今浮き彫りになってると思うんです。やはり世論は、178万円にあげることをかなり後押ししている状況です。国民民主党も主張してきたので譲りたくない」
■交渉が決裂した場合、自民党は交渉相手を維新に変更する可能性も
【青山氏】「ただ、これで決裂した場合、例えば自民党は交渉相手を維新に振り分けちゃうかもしれないんです。維新は教育無償化などで、本予算に賛成してくれるかもしれない。そうすると国民民主党はこれまでのキャスティングボートを手放すことになっちゃうんですね。
そうすると、彼らが主張してきたガソリン税の減税なんかも叶わなくなるかもしれないし、『103万円の壁』も、自民党が主張してる123万円以上にならないかもしれない。本当に“何も取らない”でいいのかという問題があるわけです」
■「国民民主党は交渉期限を来年まで延ばそうとしている」
【青山和弘氏】「やはり突っ張りたいところもそうなんだけれども、どこかで妥協点を探ってくるのかとか、国民民主党は交渉期限を来年まで延ばそうとしているんですが、それに自民党が乗ってくるのかどうか、この数日間で大きな焦点になってくると思います。存在感をどこまで示せるかというのを悩んでいるところだと思います」
(関西テレビ「newsランナー」 2024年12月18日放送)
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