障害者グループホーム(GH)運営大手の「恵(めぐみ)」(本社・東京都港区)が組織ぐるみで障害福祉サービス等報酬を不正請求したなどとして、愛知県と名古屋市は26日、県内5カ所のGHの事業者指定を取り消すと同社側に通知した。障害者総合支援法による最も重い処分で、厚生労働省は12都県にある約100のGHを同社が運営できないようにする「連座制」を適用する方針だ。

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 同社をめぐっては2022年5月、愛知県内のGHで知的・精神障害のある入居者から実費の3倍ほどの食材費を徴収し、残りを同社の利益にしていたことが判明。過大徴収の総額は県内の26GHだけでも計2億1799万円にのぼり、名古屋市などが「経済的虐待」と認定した。

 この調査の過程で、同社が勤務実績のない職員が働いたように装うなどし、障害福祉サービス等報酬を不正請求していたことを県などが確認。自治体の調査にはつじつまの合う虚偽の出勤簿を提出していたことも判明した。認定された不正請求額は、名古屋市内にある6GHだけでも9千万円を超え、市はこの日、加算金を含め約1億3千万円の返還を同社に命じた。

 障害者総合支援法は、指定取り消しの理由となった不正に法人の組織的な関与が認められれば連座制を適用すると定める。厚労省は同社の関与があったと判断しており、他のGHも6年ごとに必要な事業者指定の更新が認められず、順次、運営できなくなる見通しだ。

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