今回紹介するのは、岩手の新たな特産品にとヘーゼルナッツ栽培に取り組む男性です。本格的な栽培スタートから3年。2024年、初めてとなる収穫を迎えました。

(これがヘーゼルナッツの木?)
「そうですこれがヘーゼルナッツの木になります」
(初めて見ましたヘーゼルナッツの木)
「なかなか見る機会がないですよね」
(この木の特徴は?けっこう丈は低いんですね?)
「これまだ植えて3年目ですので、2メートル前後くらいなんですが、成木になると5メートルから6メートルくらいまで大きくなります」
(そんなに大きくなるんですか…)

岩手県内でヘーゼルナッツの栽培に取り組んでいるのが、自家焙煎コーヒーの販売などを手掛ける店、nomosの代表内澤啓太さん35歳です。
内澤さんは、2021年にヘーゼルナッツの試験栽培をスタート。

2022年から盛岡、滝沢、雫石の畑で本格的な栽培に取り組み、栽培3年目となる現在、およそ200本の木を育てています。

(なぜヘーゼルナッツを?)
「コーヒーに合わせる何かないかなと探していたのがひとつのきっかけですね」

(そのまま食べてもおいしいですね)
「あとはチョコレートとの相性が抜群なので、それとチョコレートとコーヒーが、おやつの至福のひと時かなと思います」

ヘーゼルナッツは、「セイヨウハシバミ」とも呼ばれ、地中海沿岸から西アジアが原産でトルコが主な生産地とされています。

豊かな香りが特徴で、そのままローストして食べるほか、チョコレート菓子などに使われ、アーモンド、カシューナッツと並び三大ナッツの一つにも数えられる人気の木の実です。
流通する物はほとんどが海外産ですが、国内では長野県や青森県で少しずつ栽培が進んでいます。


そんなヘーゼルナッツと岩手には意外なつながりがありました。
今からおよそ70年前、1950年代の岩手県林業技術センターの研究資料です。


当時、食用での栽培推進に向け研究されていたとみられ、「当地にて生育可能」との記述もあります。
この時は実際の生産には結び付かなかったようですが、資料の発見はヘーゼルナッツの栽培を考えていた内澤さんの背中を押しました。
また、ヘーゼルナッツと同じカバノキ科のハシバミは県内にも自生していて、古くから食用とされてきた文化もあり、ヘーゼルナッツは岩手の地に適した作物とも言えます。

「寒さについてはこの作物は強くて、だいたいマイナス20度くらいまで耐寒性があると言われている」

(そうすると寒さよりも暑さ?)
「暑さは今までの常識と違うので、そこは心配なところではあります」

内澤さんは、知人の力などを借りながらほぼ独学で木を育てています。


栽培開始から3年、木はヘーゼルナッツを収穫ができるまでに成長し、2024年が初めての収穫です。

(実がなっているのをみつけた瞬間はどんな感じだった?)
「本当に3年以上時間かけてきたものがようやくひとつ形になって、ひと安心というか、今までやってきたかいがあったなと思った」


(畑で叫びたくなったのでは?)
「そうですね。ガッツポーズが出た」

収穫できたのは3年目を迎えたおよそ100本の木のうち10本。
実にして30粒ほどです。

今はまだわずかな量ですが、内澤さんは今後、さらに生産量を増やし、商品化も進めていく予定です。

「収穫量が増えていけばいろんな商品化ができる。いろんな商品を作って、岩手県の新たな特産品の一つになって、それを全国、そして世界に伝えられるのが目標でもあり夢でもある」

初めての収穫で、また一歩実現に近づいた内澤さんの夢。
ヘーゼルナッツを岩手の新たな特産品にするため挑戦は続きます。

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