シリーズでお伝えしているパリオリンピック・パラリンピック企画。
最終日の6日は、パラカヌー・小松沙季選手。
東京大会に続き、2度目となるパリ大会への挑戦を追った。
パラカヌーの小松沙季選手(29)。
競技を始めてわずか半年で東京パラリンピックに出場した経歴を持ち、“期待の新星”と注目された。
小松選手の専門種目「ヴァー」は、片側に浮具がついたカヌーで、200メートルのタイムを競う。
両足と左手にまひがある小松選手は、主に右腕を使ってカヌーを動かす。
小松選手はかつて、バレー選手としてVリーグで活躍。
コーチへの新たな道に進んだ矢先、突如両手足にまひが生じ、車いすの生活を余儀なくされた。
小松沙季選手「まだ歩けると思ってたので。ああ、どうなるのかなって」
失意の中、海のある地元・高知県でできるパラカヌーに出会った。
異例のスピードで出場した東京大会は、準決勝で敗退。
一方で、パリを目指す3年間は、競技の奥深さを感じる日々だったという。
小松沙季選手「カヌーを始めた時は、ガーッてこげばいいみたいな、そしたらタイムが出ると思ってたんですけど、知れば知るほどそうじゃなくて」
がむしゃらにこぎ、体力を消耗してしまうレース終盤、スパートが課題だという。
小松沙季選手「後半きついですね。本当、のどから血の味がしそうなくらい。そこをなんとか出し切れるようなメンタルを鍛えつつトレーニングしてます」
パリ大会まで約4カ月。
出場権がかかるレース前の最後の実戦。
今回、小松選手は“こぐ回数を減らす”という挑戦をした。
力強くパドルをこぎ進める小松選手。
そしてレースは終盤、タイの選手との一騎打ち。
スパートをかけられるか、勝負所。
ゴール直前で持ちこたえ、2位でゴール!
課題としていたラストスパートの克服も見えてきた。
小松沙季選手「2位は目指していたので、結果的に途中競ったりもしましたけどよかったかなと」
そして、今週行われるハンガリーでの世界選手権が、パリへの切符をかけた大一番。
小松沙季選手「もう必ず取らなきゃいけないと思ってる。東京パラがセミファイナル(準決勝)で敗れたので、なんとかファイナル(決勝)に上がりたいなと」
自身の体と競技に向き合った、試練の3年間。
2度目のパラリンピック挑戦に期待が高まる。
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