ボクシングの世界タイトルマッチが6日、34年ぶりに東京ドームで開催される。日本選手で初めて東京ドームでメインイベントを務めるのは、スーパーバンタム級4団体統一王者、井上尚弥選手(31)=大橋=だ。この日は午後2時に開場。「モンスター」の異名を持つボクサーに用意された会場の全容はどんなものか。
東京ドームでのボクシング世界戦は1988、90年にヘビー級王者だったマイク・タイソン選手(米国)が出場して以来。日本中の注目を浴びた当時に匹敵する大一番を目撃しようと、会場周辺は人だかりができていた。
井上選手、対戦相手のルイス・ネリ選手(29)=メキシコ=が相まみえるリングは、本塁から見てグラウンドの二塁後方の真ん中にお目見えし、アリーナ席が取り囲んだ。試合を間近で見られるリングサイド席は最高額22万円で、こちらは早々に完売した。
それ以外の席も順調で、所属ジムの大橋秀行会長によると、試合2日前の4日には合計4万枚超のチケットは98%が売れた。当日券の販売も行われ、この日午後2時の販売を待つファン50人ほどが約2時間前から列をなしていた。
東京ドームでは前日の5日、プロ野球の巨人―阪神戦が行われた。巨人戦は午後2時開始のデーゲームで、大橋会長は「延長戦にならないように……」と願っていた。その試合も九回で決着し、午後5時前にゲームが終わると、翌6日午後4時開始の前座の試合に向け、急ピッチで設営が進められた。
日本選手がメインの興行では史上最大規模の観衆4万人超を集めるビッグイベント。両翼100メートル、中堅122メートルのドームのグラウンドをフルに生かした会場は、ボクシングの試合では規格外だ。選手はバックスクリーン近くに設けられたステージから登場し、スロープを下りながら赤と青のそれぞれのコーナーへと向かっていく。会場のチェックをしていた日本ボクシングコミッション(JBC)関係者は「大きすぎる」と思わずつぶやいた。【岩壁峻】
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