高校野球の秋季近畿大会は19日、ほっともっとフィールド神戸で開幕し、初出場の滋賀短大付(滋賀2位)が4―1で履正社(大阪1位)を破り、大会初勝利を挙げた。
滋賀短大付は1点を追う六回に北嶋朔太郎選手(1年)の2点適時二塁打で逆転すると、スクイズなどでこの回4点を奪った。相手を下回る5安打ながら、少ないチャンスをものにして逃げ切った。先発左腕の桜本拓夢投手は、7安打を浴びながらも120キロ台の直球や緩い変化球を制球良く投げ、1四球で完投した。
滋賀短大付は2008年に滋賀女子から改称し、男女共学化された大津市の私立校。春夏通じて甲子園出場はない。新たな歴史を刻む勝利に選手たちは「実感がわかない」と喜んだ。試合後の監督や選手の主なコメントは以下の通り。
滋賀短大付・保木(ほうき)淳監督
履正社さんは本当に良いチーム。選手たちに、うちとしては負けても失うものはないから「攻めていきなさい」と伝えていた。非常にうれしいです。
<先発の桜本投手が好投した>
履正社の打者たちの映像をたくさん見てきたが、良いバッターばかり。ただ、外へのボールの対応が今の(低反発)バットなら通用するかなと思った。バッテリーでずっと準備してきたし、そこを攻め続けられたのが大きかった。
<六回には北嶋選手が逆転打を放った>
「初球、真っすぐだけ狙って打て」と伝えた。空振りでもいいからと。小技だけでなく、強い打球が打てないと点数が入らないと思って、準備してきた。打線はヒット数こそ少なかったが、強い打球が打ててよかった。
<高校野球界をリードしてきた履正社に勝った>
履正社の多田(晃)監督には、うちが弱い時から練習試合をしてもらってきた。練習試合でいまだに1試合も勝ったことがなかった。5年前、初めて試合をした時は履正社のBチームに五回で0―15で負けたと思う。これが全国レベルだから、このチームに10回に1回でもいいから勝てるチームまで持っていこうと話をしたことを覚えている。今も10回やれば1回も勝てない差があると思うが、子どもたちが本当によく頑張ってくれた。
滋賀短大付・北嶋朔太郎選手
ちょっとまだ実感がわかないのですが、うれしいです。県大会で準優勝したことも初めてだし、近畿大会でも新しい歴史を刻むことができた。
<六回に逆転打を放った>
めっちゃ気持ち良かったです。投手交代直後の初球の真っすぐを張り、狙い球がきました。前の打席で差し込まれたので、三塁線に強いファウルを打つ気持ちで打席に入ったのが良かった。
近江や滋賀学園などを倒して、甲子園に行けば価値があると思って滋賀短大付に進学した。次の試合でもこのような結果が出せるように頑張りたいです。
滋賀短大付・桜本拓夢投手
外中心の配球であれば、フライアウトが多くなると思っていた。一個一個アウトを積み重ねれば大量失点はないので、コースを突いていけたのが良かった。
初めての球場で広いなと思い、観客も県大会より多くて緊張していたが、楽しもうと思っていた。そこだけに集中した。
自分たちは初出場でチャレンジャー。目の前の一戦一戦を勝ちきるだけ。そこは次もぶれずにやっていきたいです。
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