【京都-神戸】後半、決勝ゴールを決め喜ぶ神戸・ジェアンパトリッキ(右)=サンガスタジアムbyKYOCERAで2024年10月6日

◯ヴィッセル神戸3―2京都サンガF.C.●(6日・サンガスタジアムbyKYOCERA)

 楽勝ムードが一転した。神戸は前半に2点リードするも後半途中までに追いつかれた。最悪の展開で、昨季王者が底力を発揮した。

 後半の入り、京都のハイプレスを受け、後手に回った。外国人選手2人に鮮烈なゴールを決められ、流れは一気に京都へ傾いた。

 そこで吉田孝行監督は決断を下した。後半26分、FWジェアンパトリッキとMF鍬先祐弥を同時にピッチに送り込んだ。前への推進力を高めるためだ。

 12分後に結実した。CKの折り返しを鍬先がシュート。この球がゴール前にいたジェアンパトリッキの元へ来た。泥臭く「顔面トラップ」で収め、右足で押し込んだ。

 2日のアジア・チャンピオンズリーグ・エリートから中3日。過密日程で、選手を入れ替えながら白星をつかんだ。今季加入した鍬先は「調子が良い選手が多く、(試合に)入りたくても入れない選手がたくさんいる。より責任感を持って自分の力を出し切るつもりでいる」と話す。昨季より選手層が厚くなり、競争が激化することが好循環を生んでいる。16年ぶりにクラブ記録を更新する同一シーズン6連勝の要因はここにある。

 首位・広島に勝ち点1差でピタリとつける。し烈な優勝争いについて、FW大迫勇也は「(シーズンが)終わってみてじゃないですか。一試合、一試合の積み重ねなので。足元を見直して取り組みたい」と表情を引き締めた。人事を尽くして天命を待つ。【生野貴紀】

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