若元春(右)を攻める大の里=両国国技館で2024年9月16日、三浦研吾撮影

大相撲秋場所9日目(16日、東京・両国国技館)

○大の里(寄り倒し)若元春●

 連勝街道を突き進む大の里の勢いが止まらない。身長192センチ、体重182キロの恵まれた体格を生かした前に出る馬力とスピードで圧倒する。しかも今場所は、先場所負けた相手にことごとく雪辱し、充実ぶりが際立っている。

 この日は名古屋場所の2日目に左を差されて敗れた若元春が相手だった。大の里は連日のもろ手突きで突き放して左からおっつける。食いつきたい若元春に対して前に出ながら左のど輪を繰り出す。大きくのけぞった相手が俵に詰まりながらしぶとく腕を手繰って右上手をつかんで振ったが、かまわず体を預けて寄り倒した。若元春に「圧力があった。強いですね」と言わしめた。

 これで先場所敗れた6人のうち、今場所対戦した4人すべてに勝利した。九重審判長(元大関・千代大海)は「迷いがない。何をやっても自信があるゾーンに入っている」と指摘したうえで、「負けた相手にも自分を見つめ直して今場所、解決しているのがいい」と評価した。

 10日目は、唯一1敗で大関経験者の霧島と対戦する。優勝争いを大きく左右する大一番を前にしても、大の里は「一日一番集中して」を繰り返している。【武藤佳正】

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