【台湾-日本】決勝の先発マウンドに上がった日本の今朝丸裕喜=台北で2024年9月8日午後6時48分、長宗拓弥撮影

野球・U18(18歳以下)アジア選手権決勝(8日・台北)

●日本1―6台湾○

 日本は決勝までわずか2失点と好投を続けてきた投手陣だったが、踏ん張りきれなかった。

 最終決戦のマウンドを託されたのは、今大会初先発の今朝丸(けさまる)裕喜(兵庫・報徳学園)だった。ただ、立ち上がりから制球が定まらず、球のばらつきが目立った。4四死球を許して2失点し、三回途中でマウンドを降りた。継投に入ったが、2番手以降の投手も四球などで再三のピンチを招き、リズムが作れない。4投手をつぎ込み、申告敬遠を除く計9四死球。今大会最多6失点という結末だった。

 小倉全由(まさよし)監督は今大会で、夏の甲子園を制した京都国際のエース左腕・中崎琉生(るい)、準優勝した関東一(東京)の坂井遼(はる)、東海大相模(神奈川)で198センチの長身左腕・藤田琉生、そして最速150キロ超の直球を持つ今朝丸の4投手を柱に据え、要所で起用してきた。球数制限があるため、決勝では今朝丸以外の3人は登板できず、今朝丸も前日に救援で登板しており、難しい投手起用を強いられた。

【台湾-日本】台湾に敗れ、悔しがりながらベンチへと引き揚げる日本の選手たち=台北で2024年9月8日、長宗拓弥撮影

 打線は一回に幸先良く先制し、150キロ超の直球を持つなど好投手ぞろいの台湾に10安打を浴びせた。相手を上回る安打を放ちながらもあと一本が出なかった。「これだけ打ってくれたのに。監督が何とかしないといけない。選手はよくやってくれた」。小倉監督は、夏の甲子園大会の疲労が残る中で奮闘した選手をねぎらった。

 アジアのライバルである韓国と台湾から奪った得点は3試合でわずか2点。決勝での3安打を含む今大会で計12安打を放った浜本遥大(広島・広陵)は「どういう形であってもこの試合を取らないといけなかった。悔しいの一言」と振り返った。

 普段とは違う9回より短い7回制かつ木製バットという国際大会で、いかにして得点を奪うのか。来年開催予定で2連覇を目指すワールドカップ(W杯)に向けて課題を持ち帰る形となった。【長宗拓弥】

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