浦和と引き分け、厳しい表情の町田イレブン=31日、国立競技場で(浅井慶撮影)

 明治安田J1リーグは31日、各地で第29節の4試合があり、広島が、J1の同一シーズンではクラブ最多となる7連勝を飾り、首位に浮上した。FC東京を3―2で振り切って勝ち点55に伸ばした。  町田は終了間際に途中出場のエリキのゴールで追い付いて浦和と2―2で引き分け。勝ち点55で得失点差の2位に後退した。  ◇  ◇

◆決定力不足、サイドから崩され失点…立て直せるのか

 敗戦寸前の同点劇にも町田の選手たちには厳しい表情が並んだ。雨に打たれながら力なく国立競技場の場内を一周。課題の決定力不足がこの日も重くのしかかり、5月から守ってきた首位の座をとうとう明け渡した。  攻撃の狙いは明確だった。自陣からロングボールを対角に送り込んで両サイドを徹底して突いた。中央にパスを通すところまではいっても肝心のシュートが決まらない。17本を浴びせて2得点止まり。黒田監督は「技術のなさが最後までつきまとった」と悔しがった。

町田―浦和 後半、浦和に2点目のゴールを許した町田・GK谷(右から2人目)=31日、国立競技場で(浅井慶撮影)

 後半42分の失点は、浦和にサイド攻撃のお手本を見せられているかのようだった。疲労からか、右サイドで町田のDF鈴木の足が止まる。余裕を持って中に放り込まれると、ゴール前で正確に押し込まれた。サイドを攻略された失点は今季の町田にほとんどなく、頼みの堅守さえも崩されたショックは大きい。  上位5チームで唯一、優勝の経験がないだけに、指揮官は「優勝争いの渦に巻き込まれたら多分難しい」と逃げ切りをもくろんでいた。最大5あった勝ち点差はなくなり、広島に得失点差で上回られた。8月は1勝3分け1敗と急失速。J1は甘くない。もう一度立ち上がれるか。(加藤健太) 

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