【小松大谷-智弁学園】智弁学園の先発・田近=阪神甲子園球場で2024年8月17日、吉田航太撮影

高校野球・夏の甲子園3回戦(17日)

○智弁学園(奈良)6―3小松大谷(石川)●

 準優勝した2021年以来の8強入りへ。「3回戦はエースと決めていた」と話した智弁学園・小坂将商監督の期待に応えるように、背番号1の左腕・田近楓雅が小松大谷打線を7回2失点で12三振を奪った。

 「左打者でも右打者でも投げにくさを感じない」という決め球のチェンジアップが効果的だった。

 1点リードの二回、バスターで意表を突かれるなど2失点で逆転を許した。なお2死一、三塁で、1、2回戦でともに2安打の左打者・田西称を迎えた。

 「いい打者だからこそ自信のある球で打ち取れたら、自信につながる」と決め球で内角低めにチェンジアップを投げ込み、空振り三振に仕留めた。

 好打者を抑えて勢いに乗り、三回以降は散発2安打でゼロを並べ、味方の反撃につなげた。

 直球と同じように力強い腕の振りから投じるチェンジアップは、中学時代に監督から勧められ投げ始めた。今では曲がり方が異なる3種類を巧みに操れるまでになり「コントロールと切れが一枚上手だった」と小松大谷の打者を嘆かせた。

 ここまで3試合で先発を務め、今春のセンバツ王者・健大高崎(群馬)や春夏通算9回の優勝経験がある大阪桐蔭ら強豪校がひしめくブロックを勝ち上がる原動力になった。

 健大高崎相手に1失点完投した2回戦から中2日でマウンドに立ち、「智弁学園は3回戦で負けることが多く、ここが山場と言われてきた。越えられてホッとしている」。一息ついて見据えるのは、初の夏の頂点だ。【下河辺果歩】

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