(13日、第106回全国高校野球選手権大会2回戦 滋賀学園5ー0花巻東)

 どんなに球が速くとも、変化球の曲がりが鋭くとも、関係無かった。滋賀学園の打者が意識したことは、ただ一つ。

 「コンパクトに振ること」だ。

 対戦相手の花巻東には、昨夏の甲子園を経験した本格派の小松龍一と、技巧派左腕の葛西陸がいる。

 先発の小松は、一回に時速150キロの投球を記録した。が、滋賀学園打線は動じない。二回に連打などで無死一、三塁とし、7番作田健太が外角スライダーを中前へ。「狙っていた変化球に食らいつけた」という先制適時打で味方を鼓舞した。

 3点を先行したチームは、三回から登板した葛西の緩い変化球に対しても、大振りしない。五回に4安打を集めて2点を加えた。

 特別な対策は施さず、狙い球もそれぞれが判断した。チームがこの日放った14安打のうち13本が単打だった。3安打2打点の作田は「コツコツとつなぐ僕たちの野球ができた」と胸を張った。

 15年ぶりの舞台。開幕試合で夏の初勝利を挙げたチームは、2試合連続2桁安打と勢いづいている。(山口裕起)

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