【霞ケ浦-智弁和歌山】試合に勝利し、校歌を歌う霞ケ浦の選手たち=阪神甲子園球場で2024年8月13日、山崎一輝撮影

 第106回全国高校野球選手権大会(日本高野連など主催)第7日の13日、茨城代表の霞ケ浦は初戦の2回戦で強豪・智弁和歌山を延長タイブレークの末5―4で退け、春夏通じて4度目の甲子園で悲願の初勝利を手にした。3回戦は大会第10日第4試合(16日午後3時45分開始予定)で滋賀学園と対戦する。【斉藤瞳、野原寛史、西夏生】

 新チームになって何度も主将が代わるなどまとまらない状態が続いたナイン。高橋祐二監督(65)が「練習試合の内容も悪く、夏は厳しいという思いだった」とこぼすほどだったが、「甲子園で校歌を」を合言葉に、8日に誕生日を迎えた指揮官に最高のプレゼントを贈った。

【霞ケ浦-智弁和歌山】霞ケ浦の先発・市村=阪神甲子園球場で2024年8月13日、山崎一輝撮影

 滑り出しから好調だった。二回1死、二塁打で出た雲井脩斗(3年)が鹿又嵩翔(しゅうと)(2年)の左前打で還って先制。雲井の父俊次さん(46)は「茨城大会では調子が悪かったが、ようやく打ってくれた」とほっとした様子で語った。五回にも森田瑞貴(3年)を先頭に3連続安打で2点を追加。投げてはエース・市村才樹(2年)が八回途中まで無失点。得点圏に走者を背負った六、七回も併殺で切り抜けた。

 だが夏の甲子園3回優勝の智弁和歌山は簡単には勝たせてくれない。八回裏、2連続本塁打で追いつかれると「ベンチの空気も重くなった」(高橋監督)。

 傾きかけた流れを止めたのが救援登板した真仲唯歩(3年)だった。「後輩が打たれたなら、先輩(である自分)が抑えないといけない」と、3回余りを被安打1。更に延長十一回には「まっすぐが来ると(山を)張って思い切り振った」という内野安打で決勝点。「タイブレークは、力の差があっても何が起きるか分からない」(高橋監督)として重ねてきた延長戦対策が功を奏した。

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