(10日、全国高校野球選手権大会1回戦 中京大中京―宮崎商)

 宮崎商の外野手、柄沢幸知選手(3年)の役割はブルペン捕手。投手たちの球をうけ、調子を見抜く。

 7月の宮崎大会決勝、継投にそなえて肩を作る小野壮真投手(3年)の球に、いつもの力がないと気づいた。「短いイニングの方がいいです」。橋口光朗監督に助言した。

 1点を勝ち越した直後の五回裏、登板した小野投手の制球が定まらない。同点とされ、なおも1死一、三塁の場面。橋口監督は、中村奈一輝投手(3年)を投入した。柄沢選手の進言を踏まえた決断だった。

 昨秋の宮崎県大会まではベンチ外だったが、今春の県大会でベンチ入り。チームにもっと貢献しようと、5月から投手の調子を伝えるようになった。宮崎には、ベンチからブルペンの様子が見えない球場が多く、監督の目が届きづらいことが課題だった。

 長く捕手を続けてきた経験を生かし、「球が走っています」など投手の情報を共有するようになった。

 一塁手からマウンドに上がることがある上山純平選手(3年)は「受けた印象で調子がいいと言ってくれるボールは、自信を持って投げられる」。正捕手の谷口真主将(3年)も「球が浮いているとか、情報を共有してくれるので、リードに生かせる」と感謝する。

 宮崎商は、宮崎大会の全5試合で継投してきた。それをブルペンから、縁の下の力持ちとして支えてきた柄沢選手。甲子園でも、投手の調子を的確に把握し、伝えるつもりだ。(中島健)

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