難民選手団は戦争や迫害などから逃れるため生まれた国や地域を離れて難民となった選手たちにオリンピックとパラリンピックへの参加の道を開こうと2016年のリオデジャネイロ大会から結成され、すべての競技を通じてこれまでの最高成績は4位でした。

パリオリンピックでは12の競技にこれまでで最も多い37人の選手が参加していて、4日、ボクシング女子75キロ級の準々決勝に、開会式で旗手を務めたシンディ ウィナー・ジャンケウ ヌガンバ選手が臨みました。
アフリカのカメルーン出身の25歳で、母国では法律で禁止されている同性愛者であることを公表し、イギリスで難民認定を受けています。

ジャンケウ ヌガンバ選手は地元フランスの選手と対戦し、身長が10センチ高くリーチも上回る相手に対して第1ラウンドから果敢に踏み込み、左ストレートを顔面に当ててぐらつかせる場面もありました。

その後も豊富な運動量で相手に的を絞らせず、最終の第3ラウンドも効果的な連打を当てるなど、終始優勢に進めました。

そして5対0の判定で勝利がアナウンスされ銅メダル以上が確定すると、ジャンケウ ヌガンバ選手は両手を突き上げたあと左胸の難民選手団のマークを指さし、結成されて3大会目で初めてとなるメダルを喜んでいました。

ジャンケウ ヌガンバ選手「世界中の難民の人たちに…」

「結果を達成できてうれしい。世界中の難民の人たちに、努力し、規律を守り、集中すれば何でも達成できるということを見せられたと思う」

難民高等弁務官「金メダルを目指して」

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のグランディ難民高等弁務官はSNSに「あなたのことをとても誇りに思う。金メダルを目指してほしい」と書き込み、8日の準決勝に向けてエールを送りました。

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