柔道男子100キロ級のウルフ・アロン(28)は、敗者復活戦で内股透かしで一本負け。しばらく、天井を見上げた。「いろんなことがあった」。この3年間を振り返った。

 東京五輪で金メダルを獲得した直後、マネジャーに言った。「依頼はすべて受けてくれ」。欧州に比べて盛り上がりに欠ける国内柔道大会を危惧し、「柔道の認知を広げるため」にメディアに出続けた。

  • ウルフ・アロン、敗者復活戦で敗れる 五輪「これ以上は続けない」

 柔道から半年離れ、肉体を戻すのに苦労した。パリ五輪までの道のりを、勝っても負けてもユーチューブに投稿。会社を設立し、自分で稼いで活動する、新たな柔道家像もつくった。

 世界の柔道の進化に追いつけず、連覇は遠かった。そこに「悔いはない」。ただ、五輪への挑戦は「続けない」と肩の荷を一つ、おろした。(塩谷耕吾)

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