(26日、第106回全国高校野球選手権愛知大会準決勝 中京大中京7―0日本福祉大付=7回コールド)

 「ナイスピッチング」。中京大中京の捕手・杉浦正悦選手(3年)は、アクシデントで降板するエースに声をかけた。

 上々の立ち上がりを見せていたエースの中井遥次郎選手(3年)が二回、打球を左足に受けた。その後も好投を続けたものの、大事をとって三回で降板したのはチームにとっても計算外だった。

 それでも、杉浦選手は慌てなかった。継投した2年生投手2人を「腕を振って、自信のある球を思いきり投げろ」と励ましながら強気にリード。終わってみれば1安打無失点と日本福祉大付の打線を抑えた。

 投手陣が要所で踏ん張れるのが中京大中京の強さ、と杉浦選手。「中井は緩急を使った奥行きのある投球が魅力。佐藤は、田中は……」。どうすればそれぞれの投手の強みが生きるか、常に考えている。

 「決勝でも、それぞれの投手の特長を引き出したい」。甲子園まであと一歩、主将は前を見据えた。(松本敏博)

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