(21日、第106回全国高校野球選手権富山大会3回戦 魚津3―5高岡第一)

 1点を追う魚津は二回、1死一、三塁の好機に中易(なかやす)優翔(ゆうと)主将(3年)が左打席に入った。真ん中高めの速球を左前にうまく運び同点。一塁上で右手を突き上げた。

 今の3年生が入学した直後、池田暢彦監督は「右打者ばかりだと、攻撃にバリエーションがでない。左打者がほしい」と2選手に左打ちを打診した。その1人が中易選手。「右でそんなに打てていなかったし、左でやってみるか」と考えた。

 最初はタイミングが合わず、バットの芯になかなか当たらなかった。ようやく自分のスイングができるようになったのは昨秋からだという。チーム1の俊足をより生かすことにもつながった。打順は9番だが、上位につなぐ役割も担う。

 池田監督は「よく練習していた。左打者として違和感なくバットが出るようになった」。中易主将は、今では直球でも変化球でも対応できる自信があるという。

 先取された魚津は一時逆転したが惜敗。中易主将は「左バッターになってよかった。負けて悔しいけど、自分たちの野球はできました」と振り返った。(前多健吾)

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