(17日、第106回全国高校野球選手権広島大会2回戦 井口7―0神辺)

 「全員で主将をやったらどうだ」。昨夏の大会後、神辺の谷浦亘監督は当時2年生だった4人にそう告げた。

 言葉通り、週替わりで4人が主将を務めた。監督と練習メニューを相談し、チームをまとめる。芽生えたのは、自分がチームを支えるという責任感だった。

 そして迎えた最後の夏の初戦。井口を相手に、無安打が続いた。それでも、5番打者の宗信海人選手(3年)は「ミスしてもいいから全力でやろう」と積極的に声をかけ続けた。

 七回2死で回ってきた打席で、外角直球に狙いを絞ると快音が響いた。中前安打。チームで最初で最後の安打となった。「きつい時もあったけど、最後まで諦めず続けてよかった。悔いはないです」。宗信選手は目を赤くしながら、笑みを浮かべた。(遠藤花)

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