(10日、第106回全国高校野球選手権熊本大会2回戦 熊本国府6―0芦北)
芦北の迫本隼人選手(3年)は九回、代打として先頭の打席に立った。2球目の変化球を振り抜くと、打球は二遊間を抜けてセンターへ。この日のチーム初安打となり、三塁側ベンチが一番の盛り上がりを見せた。
この春の選抜大会に出場した投手を相手に、出塁できたのは失策による1回だけ。監督からは試合中盤から「準備しておけ」と告げられ、素振りを繰り返していた。
「直球に威力がある」「変化球が切れている」。試合途中から聞いていた仲間からの情報を参考に打席に入った。見送った初球は変化球。たしかに、よく変化していた。2球目も同じ変化球だった。「みんなの言っていた通り。自信を持って振り切れた」。打った後は一塁ベースしか見ていなかったが、一塁上では、ベンチで盛り上がる仲間が見えて、笑顔で応えた。
「チームが負けて悔しいけど、小学校から高校まで野球をやりきれて満足です。最後のヒットは、みんなで打った1本です」(築島稔)
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