辞職の意向を表明した静岡県の川勝平太知事=静岡市葵区の県庁で2024年4月2日午後6時5分ごろ、最上和喜撮影

 静岡県の川勝平太知事(75)は10日午後の定例記者会見で、退職届を前倒しで提出した理由について「私の発言によって県民に大変なご迷惑がかかっている。県政の空白を短くするということで今日提出した」と述べた。

 川勝氏は、辞職決断の理由の一つにリニア中央新幹線の2027年開業断念を挙げていた。会見でリニア事業そのものについてどう考えるか問われると「日本の技術の最先端。推進派から外れたことはない。ただ、南アルプス(の環境保全)と両立しないといけない」と持論を展開。また、新入職員訓示での発言への批判については「私の言動のせいで静岡県が厳しいことを言われる。これはつらいこと」「なるべく早く私が去ることが県民のためになる」などと述べた。

 川勝氏は同日午前、県議会の中沢公彦議長に退職届を提出した。地方自治法は30日後に自動的に失職すると規定しており、辞職に伴う知事選は5月9日告示、26日投開票となる見通し。

 川勝氏を巡っては、今月1日の県庁の新入職員への訓示で職業差別にあたる発言をしたなどとして批判が殺到。川勝氏は2日、6月の県議会で辞職する意向を表明し、その後、職業差別にあたる発言を撤回していた。【最上和喜、丹野恒一】

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