国会議事堂=平田明浩撮影

 衆院予算委員会の理事会が24日、開かれた。自民党の派閥裏金事件を巡って野党各党が予算委への参考人招致を求めている旧安倍派の元会計責任者について、安住淳委員長は今国会での招致を見送ることを決めた。野党筆頭理事を務める立憲民主党の山井和則氏によると、安住氏は来年の通常国会の早い段階で決着させるため、与野党で協議するよう要請したという。

 立憲など野党側は自民党旧安倍派で会計責任者だった松本淳一郎元事務局長について予算委への招致を求めている。

 理事会に先立ち、自民、公明両党の幹事長、国対委員長は東京都内のホテルで会談。松本氏の参考人招致について、与党として反対していくことを確認した。

 自民の坂本哲志国対委員長は記者団に、担当弁護士を通じて松本氏に出席の意思を確認したところ「差し控えさせてほしい」との意向を示したと説明。23日夜に文書で回答があり、出席を控える理由として、裁判で証言した以上の話はない▽すでに禁錮3年、執行猶予5年の判決を受けている▽公の場に出てくることは負担で、家族にさらなる迷惑をかけることになる――などを挙げているという。

 坂本氏は「参考人招致は全会一致が原則で、与野党の合意がないまま賛成多数をもって招致を行うべきではない」と野党側をけん制した。

 山井氏によると、自民側は理事会でも松本氏の意向を説明し、招致に否定的な考えを示した。与野党の意見が一致しなかったため、安住氏は今国会での参考人招致の見送りを判断したという。

 理事会後、安住氏は記者団に、通常国会でも与野党の意見が一致しない場合の対応について「私が委員長として2025年度当初予算案の審議の前に、議決をするかしないかの判断をする」と述べた。【池田直、森口沙織】

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