ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議入りを発表したことを受け、武藤容治経済産業相は24日の閣議後記者会見で「我が国の自動車産業の競争力強化につながることを期待している」と述べ、経産省としての期待感を示した。
ホンダと日産、合流を検討する三菱自動車の3社長らは23日の正式発表に先立ち、同日午前に経産省と国土交通省を訪れ、統合協議入りを報告していた。
武藤氏は「自動車産業を取り巻く競争環境が大きく変化している。我が国の自動車会社が前向きにチャレンジをして国際競争を勝ち抜いていくことが大変重要だ」とも述べた。
一方、今回の統合協議を巡っては、台湾電機大手の鴻海(ホンハイ)精密工業による日産への出資の画策や、複数の投資ファンドが日産株式を保有していることなどが検討を加速させたとの見方がある。
日産は、重要技術の流出につながる企業買収などを防ぐ外為法上の事前審査の対象リストに入っている。仮に海外企業から買収提案があった場合の政府の対応方針について、武藤氏は「一般論」と断ったうえで、「クロスボーダーM&A(国境をまたぐ企業の合併・買収)は、海外資本の持つネットワークやノウハウの取り込みにつながる一方、技術の国外流出や、サプライチェーン(供給網)の途絶などのリスクに留意する必要がある」と述べるにとどめた。
中野洋昌国交相も同日、閣議後会見でホンダと日産の統合協議入りについて「自動車産業は大きな変革期にある。我が国の企業がこうした変化に対応し、国際競争に勝ち抜いていくことは非常に大事だ。こうした取り組みをしっかりとしていただくことを期待している」と述べた。【町野幸、佐久間一輝】
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