「ホンダジェット」を手がける米子会社「ホンダ エアクラフト カンパニー」の山崎英人社長(左)と意見交換する岸田文雄首相(中央)=内閣広報室提供

 9年ぶりに国賓待遇で米国を公式訪問した岸田文雄首相は12日(日本時間13日)、一連の外交日程を終えた。南部ノースカロライナ州で記者団に「日米がグローバルなパートナーとして、いかなる未来を次世代に残そうとしているか。メッセージを米国民、世界に向けて伝えることができた」と成果を強調した。同州を政府専用機で出発し、日本時間14日に帰国する。

 首相はこれに先立ち12日(日本時間12、13日)、同州にトヨタ自動車が建設中の電気自動車(EV)向けの電池工場などを視察した。首相は日米首脳会談などで、日系企業の投資が米国内の雇用に貢献していると繰り返し表明してきた。日本の対米投資を象徴する現場を自ら訪問することで、米国との経済面での連携強化をアピールした。

 トヨタは同州の工場で、これまで139億ドル(約2兆1000億円)を投資する。2025年に操業が始まれば、5000人以上の雇用が生まれる「州史上最大の投資案件」とされる。

 首相は工場が見渡せる高台でトヨタ側から事業の進展状況を聞いたり、建設現場を巡ったりした。

 さらに首相は、同州にあるホンダの小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」を手がける米子会社の工場も視察。ホンダジェットを生み、米航空宇宙学会の名誉ある賞とされる「ダニエル・グッゲンハイム・メダル」の受賞が決まっている藤野道格前社長に祝意を示した。

 視察にはノースカロライナ州のクーパー知事が同行し、州知事公邸で昼食を共にした。首相は視察した工場について「現代の日米のサプライチェーン(供給網)や先端技術協力の象徴だ。日米はグローバルなパートナーとして強い意志を持って自由と民主主義を守るべく連携すべき時だ」と述べた。【ローリー(米南部ノースカロライナ州)小田中大】

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