北陸新幹線の延伸問題で、与党整備委員会が18日の会合で結論が出せなかった「小浜ー京都ルート」について、20日に改めて開いた会合でも、ルート決定には至りませんでした。この結果、2025年度の政府予算案に建設事業費を盛り込むことはできず、福井県が求めていた2025年度中の認可・着工も見送りとなりました。
北陸新幹線の敦賀以西の延伸について、与党の整備委員会は、小浜を通って京都駅につなぐ「小浜-京都ルート」で、2025年度中の認可・着工を目指していました。
そのため、年内に京都駅の位置を含む3つのルート案から1つに絞り込む方針でした。しかし18日の会合では、京都や大阪などの沿線自治体から、財政負担や工事に伴う地下水への影響、トンネル掘削時の残土処理などへの懸念が示され、ルート決定は持ち越しとなっていました。
20日の会合では、3つのルート案からJR京都駅の地下を通る東西案を外すことが決まったものの、最終的なルート決定には至りませんでした。
会合後、西田委員長は「水や残土、交通渋滞、財源負担への地元の懸念が強いので、まずは不安解消を優先する。地元合意がないと工事が進められない」としました。
新たな着工の目標時期については「あえて着工の目標時期は考えていないが、できるだけ早く」との表現にとどめました。
これにより、年内に決定する国の2025年度当初予算案に敦賀以西の建設事業費を計上することはできず、これまでと同様、着工前の調査費用を盛り込むのみとなります。
また、米原ルートについては「8年前に調査した時から事態は変わっていない。与党が、もう一度米原ルートを再検討する必要はない」としました。
この委員会のメンバーで、福井1区選出の稲田朋美衆議院議員は「(京都の)地元理解を得てから決める方が最終的には開業に近づくので、残念ではあるが早期開業に向けては仕方がなかった。調査費が小浜駅の着工準備で増額が必要だと明記された(ことは大きい)」としました。
<与党整備委員会のポイント>
▼京都市内を通る3つのルートのうち「東西案」を除外し、「南北案」と「桂川案」が適切
▼新幹線・小浜駅付近の着工準備に向けた調査費を増額
▼当初、目指していた2026年3月までの認可・着工は断念
▼工事に伴う水、残土、渋滞などの地元不安解消を優先
この結果について福井県の杉本知事は「私どもの力不足で、責任を感じている。決して後ろに向かって歩いているのではなく、しっかりと前に向かうために、今回ルートは一本化していない。これからの着工5条件の議論がいかに速やかにできるか、そのために地元の理解をどう得ていくのかにかかっている」と語りました。
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