防衛力の人的基盤の抜本的強化のため、自衛官の採用率が過去最低となるなか、政府は俸給表の改定や手当の拡充などを盛り込んだ基本方針をとりまとめた。

基本方針では、戦後最も厳しい安全保障環境に対応した防衛力の抜本的強化のためには、自衛官の確保が至上命令だと掲げた。自衛官の採用を巡っては、定員割れが続く状況で、防衛省・自衛隊として強い危機感があることが明記され、働きがいを向上させる組織にする必要があるとしている。

また、多くの自衛官が56歳で退職する中、再就職支援や収入に不安を感じさせない用にすることが、自衛官の確保にとっても重要な課題だとした。

こうした方針の下、基本方針では
1・処遇改善
2・生活、勤務環境の改善
3・新たな生涯設計の確立
などを具体的に列記した。

自衛官の処遇改善については、俸給表を2028年度に改定する。先んじて来年度からは、自衛官の中でも特殊業務に従事する隊員らに手当を充実するとして、航空管制業務を担う隊員や航空機の整備員、野外演習等に従事する隊員などの手当を拡充する。

また、入隊直後から営舎や艦艇など不慣れな環境で集団生活を強いられる一般曹候補生か自衛官候補生での入隊者に、指定場所生活調整金(仮称)として、採用後6年間で120万円を給付する。

2つ目の、自衛官の勤務環境の改善については、営舎内での居室の個室化を早期に完了させるとするほか、共用区画等での無線LAN拡充など通信環境を改善するとしてる。また、ハラスメントを許容しない、ハラスメントに関する基準を明確化するだけではなく、時代に即した適切な基準を維持するために、見直しの必要を不断に検討するとした。

自衛隊員の生涯設計を巡っては、若年定年制で多くの自衛官が56歳で退職することについて、新たな生涯設計の確立の必要性が指摘されてる。

対策として、再就職や、収入に不安を感じさせない用にすることは自衛官の確保に重要な課題と位置づけた。

具体的には、2028年度以降、一般隊員の定年を2歳程度引きあげることに向けた検討を実施するとしている。

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