台湾の半導体製造大手TSMCの熊本進出などに伴って熊本で暮らす外国人の数は年々増加しています。

そんな中、熊本市消防局などが通訳サービスを使った119番通報の方法を動画にまとめ、利用を呼びかけています。

法務省のデータによりますと熊本県内で暮らす外国人の数は年々増加し、ことし6月末時点で約2万7000人。そのほか観光やビジネスで海外から熊本を訪れる人も増加するに伴い、最近増えているのが・・・。

【司令員】
「はい119番消防です。火事ですか、救急車ですか」
【通報者役】
「事故を起こしてしまって・・・救急車をお願いします」

外国人からの通報です。

中には日本語を話せない人もいるということで、熊本市消防局や菊池広域連合消防本部など県内8つの消防では、通訳サービスを活用しています。

【司令員】
「日本語話せますか?中国語?」
「少し待ってください」
「中国語での通報がありましたので通訳をお願いします」

通報者と司令員、通訳の3者が同時に通話に参加し、通報内容を確認していきます。

【通訳役】
「どうされましたか」
【通報者役】
「事故を起こしたので救急車をお願いします。車を出したときに自転車が飛び出してきて、ぶつかりました」

台湾などで使われる繁体(はんたい)中国語のほかに、英語・中国語・韓国語など6つの言語に対応しています。

熊本市消防局によりますと外国人からの通報は、通訳サービスを導入した2018年以降、年々増加し、去年の通報件数は80件。

一方で、このうち通訳サービスを活用できた件数は伸び悩んでいます。

言葉が通じないことから通訳サービスに繋ぐ前に電話を切られるケースもあったといい、課題となっていました。

そこで熊本市消防局と菊池広域連合消防本部が合同で動画を制作し、11月からYoutubeで公開を始めました。

動画では「日本の消防への通報は119番であること」や「通訳サービスにつなぐまで待ってほしい」などが複数の言語の字幕で呼びかけられています。

【熊本市消防局 情報指令課 戸田 真太郎 消防司令補】
「救急車や消防車が必要だと思った場合は迷わず119番してください。その際、通訳サービス・三者通話を利用して通報が可能となっていますので安心して通報していただければと思います」

緊急時に正確に情報を聞き取るためのこの取り組み。熊本市では来年4月からさらに対応できる言語を増やしていく方針です。

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