読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄氏が死去したことについて、政界から追悼の声が相次いだ。
林官房長官は19日午前の記者会見で「心よりお悔やみを申し上げる」と述べた上で、渡辺氏の言論、新聞経営、スポーツ界などでの功績に触れ、「多くの政治家と接した戦後政治の生き証人である渡辺さんの迫力ある著作に長く接してきたところであり、また何度かお会いする機会に恵まれ、政治に対する該博な知識・見識から多くのこをと学ばせていただいた」と語った。
岸田前首相は、渡辺氏が開成中学の先輩にあたり、父親が渡辺氏の高校の同級生だったことに触れ、「若い頃から大変親しくご指導いただいた私に取って大きな存在だ。言論人、マスコミ人として大きな影響を日本の戦後の歴史において残された方だった。一つの時代が終わったと感慨深く思う」と語った。
さらに岸田氏の父の葬儀で渡辺氏が友人代表として弔辞を読んだ際に号泣したエピソードに触れ「世間には厳しい一面も示されたが、私には絶えず心を温め、優しい人柄だった。総理在任中もたびたびご指導いただいた。たびたび会社に行った。退陣表明したあと電話で話したのが最後で、私の政治人生にとって大切な方だった」と振り返った。
立憲民主党の野田代表は「長年にわたって日本の言論界を牽引してきた巨星であり、心からお悔やみを申し上げます」と追悼の意を表した上で「幅広い知見と経験を有され、時々多くのことを学ばせて頂きました。素晴らしい方だと長年尊敬をしており、この度の訃報に接し、大変ショックを受けております」とコメントした。さらに、首相在任中の2012年に尖閣諸島の国有化を進める際、渡辺氏を首相公邸に招いて相談し、渡辺氏が後にその相談内容を果たしたことを明かして感謝を綴った。
国民民主党の代表役職停止中の玉木衆院議員は「まさに巨星墜つという印象だ。戦後の政治やメディアに大きな影響を与えた人物であることは衆目の一致するところ。主筆の部屋にお邪魔した際、国民民主党のパンフレットが机の上に置いてあり驚いたことを覚えています。衆院選後の政治状況や我が党の在り方についてご意見を伺いたかったのですが、もはや叶わず残念です」と悼んだ。
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