除去土壌仮置き場を視察する石破首相(14日午前、福島県双葉町)=代表撮影

石破茂首相は14日、東京電力福島第1原子力発電所を就任後初めて視察した。午前には除染作業で生じた土壌の仮置き場を訪れた。午後に福島第1原発の原子炉建屋を見学し、廃炉作業の説明を受ける。

首相は10月の衆院選で福島県いわき市を第一声の場所に選び「福島の復興なくして東北の復興なし。東北の復興なくして日本の復興なし」と訴えた。福島復興に力を入れようとする政府の姿勢を強調した。

首相は午後に福島・大熊町の中間貯蔵施設も訪問した。福島第1原発の原子炉の視察後に記者団の取材に答える予定だ。

視察先の双葉町や大熊町では原発事故で放射性物質に汚染された土壌などが保管されている。2024年8月末までにおよそ1400万立方メートルの土が運び込まれ、東京ドーム11杯分に相当する。

環境省は危険性が低いとされる除染土を全国の公共事業などで再生利用する。全体のおよそ4分の3の量にあたり、残った土などは45年3月までに福島県外で最終処分すると法律で定めている。

福島第1原発では11月7日に初めての溶融燃料(デブリ)取り出しが実現した。取り出せた量は3グラム以下とわずかで、51年までとしている廃炉完了の道筋はいまだに見通せていない。

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