2025年度の税制改正を巡り、税制調査会幹部の会合に臨む自民党の宮沢洋一税調会長(左から4人目)、公明党の赤羽一嘉税調会長(同5人目)、国民民主党の古川元久税調会長(左手前から2人目)=東京都千代田区で2024年12月6日午前8時59分、藤井達也撮影

 所得税がかかり始める「年収103万円の壁」引き上げを巡って13日に国会内で開かれた自民、公明、国民民主3党の税制調査会の幹部会合では「ゴルフ」が話題になった。

 所得税の課税水準を178万円に引き上げることを求める国民民主に対して、自公は生活必需品などの物価上昇率に基づいて123万円に引き上げる案を提示した。

 自公案について、国民民主の古川元久税調会長は会合後、「(国民民主は)ロングホールのつもりなのに、(自公の認識は)非常に短いショートホールなのではないか。ピッチングミスとは言わないが、9番アイアンで打っていて、グリーンはずっと先でまだ見えない」とゴルフに例えて不満を示した。「このままだと日が暮れて終わりになりそうな提案だ」とも批判した。

 自民党の宮沢洋一税調会長も「グリーンの近くにも来てない、パッティングで調整するようなレベルに全くなっていないという話だった」と国民民主から指摘を受けたとした。そのうえで「グリーンがどこにあるかわからないので、グリーンの在りかぐらい教えてほしいと申し上げた」と述べた。

 自公案について短い距離を打つために使うことが多い9番アイアンに例えたことについて、会合では与党税調側が「最新のドライバーを買って思い切り打ったのだが」と国民側をけん制する場面もあったという。与党税調幹部は会合後、「かなり高く打ち上げたつもりだが、向こうはもっと高く打ち上げなければならないということだった。ただ、そろそろお互い現実的な議論をしないといけない。税は理屈がいる」とクギを刺した。【杉山雄飛、小田中大、遠藤修平】

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