衆院政治改革特別委員会が13日開かれ、企業・団体献金など政治献金のあり方を巡り与野党が舌戦を繰り広げた。21日までの臨時国会の会期内に政治改革を巡る法案を成立させるには、来週前半の衆院通過が不可欠だが、見解の溝は埋まっていない。
企業・団体献金を巡っては、1994年の政治資金規正法改正で政治家個人への献金が禁止され、99年には政治家個人の「資金管理団体」への献金も禁じられた。だが、全面禁止には至らず、現行法は政党(支部を含む)や、政党が指定する政治資金団体への献金を認めている。このうち、政党支部については政治家個人の「財布」のように私物化されるケースが指摘されている。
総務省によると、企業・団体献金を受けることができる政党支部は全国で9062あり、自民は7003支部、立憲は358支部。企業・団体献金の禁止を求める立憲民主党の今井雅人氏は特別委で、「自民だけ支部が多い」と指摘。政党支部の代表を務める自民の地方議員が、支部で受け取った企業献金を自らの選挙で使用したとする例を挙げ、「政党支部という『抜け穴』を使って、実質的に企業献金を自分の活動に使っている」と追及した。
自民の小泉進次郎氏は、支部の多さは「全国にあまねく活動を展開してきた一つの形だ」と説明。「支部であっても政党組織の一部として活動を行うために、法律の範囲内で資金調達することは問題ない」と強調した。
その上で小泉氏は、現行法では、労働組合系の政治団体を通じて寄付した場合、企業・団体献金とはみなされず、資金管理団体などにも寄付できると言及。立憲や国民民主党の一部の議員に多額の寄付が行われていることを念頭に「適法だが、こちらの方が『抜け道』ではないか」と反論した。
また、自民はこの日、政治資金収支報告書で支出先など一部を非公表にできる「公開方法工夫支出」について、①安全・外交秘密関連支出②法人等業務秘密関連支出③個人権利利益関連支出――の3類型を提示。具体例として▽議員外交での機微な交渉▽企業などへの情勢調査の発注▽ドメスティックバイオレンス(DV)被害者から意見聴取した際の旅費や謝礼――などを挙げた。国民民主党の長友慎治氏は、議員外交での支出に理解を示し「公開方法に工夫が必要だという主張は理解はしたい」と述べた。【高橋祐貴】
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