職員へのパワハラなどの疑惑が浮上していた宮田村(長野県)の小田切康彦村長が辞意を表明です。当初、パワハラについての調査結果を待って、対応するとしていましたが、「職員の信頼がなければ組織を率いていけない」として、結果を待たずに辞表を提出しました。

午後開かれた、宮田村の村議会本会議。閉会挨拶のあと、小田切康彦村長(79)から発言がありました。

宮田村・小田切康彦村長(議会):
「けさ、本日付の辞表を議長に提出しました。世間を騒がせましたことを心よりおわび申し上げます」

2025年7月の任期を前に、辞職する意向を表明しました。「世間を騒がせた」というのは、自身に浮上していた2つの疑惑のことです。

村の顧問弁護士によりますと、小田切村長に対しては、複数の職員から「やめろと言われた」、「書類を投げつけられた」などパワハラ行為を訴える声が上がっていたということです。

また、2022年の参議院選挙の公示前に、役場の課長会で、自民党の立候補予定者のリーフレットを配ったことが公選法違反にあたると指摘する声も上がっていました。
民間企業出身で3期目の小田切村長。

報道陣の取材にはこのように答えていました。

記者:
「書類を投げつけた?」

小田切康彦村長:
「それは記憶にない」

記者:
「民間企業に比べると公務員はだめだと?」

小田切康彦村長:
「それは言いました、記憶にあります。視野が狭いなという話はした。これは本人の問題なんですよ。本人がそう思えば、それはパワハラなんですよ」

公職選挙法違反の指摘については、「政党が作ったリーフレットではなく、違反ではないと判断した」と話していました。

当初は、顧問弁護士が実施する職員対象のアンケート調査の結果を受けて、対応を決めるとしていましたが。

宮田村・小田切康彦村長(議会):
「『部下の信頼無くば組織動かず』、これは私の民間の時からの信念でございます。信頼がなければ組織を率いていけない。成長してほしい、いい仕事をしてほしい、という思いが強くあり、表現が強くなったこともあると思う」

自身の信条に基づき結果を待たずに決断したと述べました。

村民は…

80代:
「当然かなと思います。事実でなければ辞職するはずがないから、本人が割と早く決断したということはパワハラは事実だったのかな」

80代:
「私はあの村長に続けてもらいたい、それなりの見える村政だったから。しょうがないですね、世の中の流れがそういう流れだから」

任期途中での辞職に村長は。

宮田村・小田切康彦村長:
「上司と部下の信頼関係が大事になる。合わせて風通しの良い職場が必要。今回、反省点としてこの必要性を特に感じた。私なりに一生懸命やってきたつもりだが、こういう問題が出たということは、そういうことだと思う」

退職は2025年1月1日付けで、その後、村長選が行われる見通しです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。