自民党は9日、政治資金規正法再改正を巡り、政治資金収支報告書で支出先など一部を非公表にできる支出について、これまで使ってきた「要配慮支出」の名称を「公開方法工夫支出」と変更し、法案を衆院に提出した。要配慮支出を巡っては、野党などから「分かりにくい」などと指摘が上がっており、党幹部は「要配慮(支出)だと何か隠そうとしているのではないかと言われる」と変更の理由を語った。
自民は、政党から政治家個人に支出される「政策活動費」の廃止を盛り込む一方、外交上の秘密など使途公開に特に配慮が必要な支出を「要配慮支出」として新たに規定。これを監査する第三者機関「政治資金委員会」を国会に設置するとしている。
ところが、要配慮支出を巡っては、野党から「聞いてもイメージがわかない」などの指摘が上がっており、SNS(ネット交流サービス)上でも「配慮して非公表にするなら、それは裏金ではないのか」などの投稿が相次いでいた。石破茂首相(自民党総裁)も6日の参院予算委で、「私も、最初、何のことだかよく分からなくて、漢字で書いてみたらこういうことなのねと。要は配慮を必要とする支出という意味だが、もう、そうとしか言いようがない」などと語っていた。【森口沙織】
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