国家安全保障を担当する長島昭久首相補佐官が4日、毎日新聞のインタビューに応じた。2027年度までに国内総生産(GDP)比2%に引き上げる防衛関連予算について、「安全保障の状況によってはもっと増額していく議論が必要になる。テーブルからは全く排除しない」と述べ、防衛予算の更なる引き上げに向けた議論を促した。
長島氏は11月下旬、米ワシントンを訪問し、駐日大使経験者でトランプ次期大統領に近いハガティ上院議員らと会談した。「私からは日本の防衛力強化の取り組みや、日米韓、日米豪、日米比などの枠組みをきちっと引き継いでほしいと伝えた。トランプ氏に近い人とは、抑止力強化や同志国との重層的な連携が非常に重要だという認識で一致できた」と明らかにした。
トランプ氏は同盟国に更なる防衛費増を要求する恐れがあるが、「受け身で、トランプ氏から提案されたからやるという問題ではない。日本側の政策をまとめる方がはるかに大事だ」と指摘。GDP比2%の防衛予算の目安について、「2%で固定して考える問題ではない。日本がもっと頑張らないといけないと思えば、将来的には2%を超えて増額していかないといけない」との認識を示した。
トランプ氏に関しては、「関税の問題も注視する必要がある」との見方を示し、「米国の安全など他の政策目的を達成するためのテコに利用しているとの見方がある」と指摘。日本企業も準備が必要との認識を示した。
石破茂首相の訪米の時期については、25年度予算案を審議する予算委員会の審議が一巡する来年2月上旬以降になるとの見方を示し、「国会の許す時期を探らないといけない」と述べるにとどめた。
日米地位協定見直しやアジア版北大西洋条約機構(NATO)など首相の持論については「今対応すべき課題を無視してやるということはない」と述べ、長期的課題に位置づけた。
尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が一時、非常戒厳令を出した韓国情勢について「特段重大な関心を持って注視しているところだ」と指摘し、1月中に検討している首相の訪韓は「何ら決まっていない」と述べた。【村尾哲】
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