国会で26日、政治とカネ問題について、政治資金規正法の再改正に向けた与野党7党の代表者による初協議が行われた。
7党協議は、異例のフルオープンで、有権者に協議全容が見える形で議論が始まった。
冒頭、自民党の渡海政治改革本部長が発言し「政治改革というテーマは、民主主義を支える土俵を作る作業で、極めて重要な取り組みだ。政党間で率直に意見を交わして、多様な意見をお互い共有して理解を深めていくことが大変重要だ」と議論の方針を示した。
また、異例のフルオープンでの議論については「立憲民主党さんからも強い要請があり今回、例外的に、フルオープンという形で開催をすることになったことにご理解いただきたい。開かれた場で多様な意見を共有し理解を深め、各党が立場や考えを尊重して意見交換をして、相違点・一致点がクリアになれば審議に向けて認識共有が進む」と述べて、公開協議の意義を示した。
野党第1党の立憲民主党の大串政治改革本部長も、「熟議と公開を原則に場を持って欲しいとしたところだ。国民に見える意見交換は有意義だ」と述べるなど、与野党ともに公開議論となったことの意義を強調した。
他の与野党代表者からもオープンな議論に対する意義や、政治に対する国民からの不信を払拭すること、期限を決めて合意形成することが重要だ、といった意見が披露された。
初会合では、政治資金規正法の再改正を見据え、政治とカネ問題の再発防止に向け各党が重視する要点が示された。
●自民党渡海政治改革本部長
・「政策活動費の廃止」:プライバシーへの配慮など公表方法に工夫が必要であることに留意
・「第三者による監査」:公表の工夫などについてチェックする公的な第三者機関を国会に置く
・「収支報告書の情報を集めたデータベースの整備・公表」
・「自ら代表を務める選挙区支部への寄付の税制優遇の適用除外」 など
●立憲民主党大串政治改革本部長
・「政治家本人の責任強化」:連座制を明定
・「登録監査人による政治資金監査の拡充」:支出に加えて収入も監査の対処
・「収支報告書の透明性の強化」:オンライン提出やインターネットによる公表・検索データベース化
・「政策活動費の廃止」:政党から候補者への寄付の禁止。渡し切りによる経費支出の禁止
・「企業団体献金の禁止」
・「個人献金の促進」
・「旧文通費の使途公開、残金の国庫返納」
●日本維新の会政治改革実行本部藤田幹事長
・「旧文通費の使途公開・残金の国庫返納」
・「政策活動費の廃止」:例外なく、シンプルに廃止。渡しきり経費の禁止、企業会計に近い処理
・「企業団体献金の禁止」
●公明党西田政治改革本部長
・「政策活動費の廃止」
・「第三者機関の設置」:政治資金監督委員会を設置
・「旧文通費改革」
・「企業団体献金の禁止」:政治がゆがめられることがあってはならない。
●国民民主党古川政治改革推進本部長
・「政治資金の透明化」:政治資金パーティーの収入と支出をガラス張りに
・「政治家・政党の責任強化」:連座制導入のような形で会計責任者だけでなく、政治家の責任を明確化
・「政党助成法の見直し」:政党のガバナンスに問題がある場合、政党助成金の減額・停止
・「第三者機関の設置」:政治資金に関するルールの策定、ルールの遵守の監視監督、違反時の罰則を科す広範な権限付与
・「企業団体献金の禁止」:企業団体献金を廃止しても、政治団体を通じた抜け穴が指摘される。政治団体を含めてどうするか議論すべき。
●共産党 政治改革担当塩川衆院議員
・「企業団体献金の全面禁止」:政治資金パーティー券の購入禁止を含む
・「政治家の監督責任の強化・罰則強化」
・「政策活動費の廃止」
・「政党助成金の廃止」
●れいわ新撰組高井幹事長
・「連座制の導入」:政治家本人の処罰の強化
・「外部監査の強化」:独立した政府機関が調査・検挙まで強い権限を持ち、第三者機関とする。
・「政策活動費の廃止」
・「旧文通費の公開・資金透明性の確保」
・「企業団体献金の禁止・政治資金パーティーの禁止」
・「政党交付金の配分の見直し」 など
与野党各党は、11月後半から12月後半まで開会される臨時国会で、政治資金規正法の再改正を見据えた議論に入る。
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