公明党は、衆院選で11小選挙区に候補を擁立したが、4勝7敗の惨敗に終わった。強固な地盤を誇った大阪で全敗した上、埼玉14区では石井啓一代表が落選。党内には想定を超える大敗に衝撃が走った。石井氏は9月に就任したばかりだが代表辞任は不可避な状況で、公明は新体制の構築を急ぐ方針だ。
「逆風をはね返す党自身の力量が足りなかったと言わざるを得ない。結果を真摯(しんし)に受け止め、次は必ず勝つとの決意で捲土(けんど)重来を期してまいりたい」
石井氏は28日の記者会見で、公示前の32議席から8減の24議席にとどまった衆院選の結果についてこう振り返り、次期衆院選も埼玉14区から出馬する意向を示した。
今回の衆院選は、関西で日本維新の会との選挙区のすみ分けができず、初の全面対決となった。さらに厳しい情勢に追い打ちをかけたのが、自民党派閥の裏金問題だった。結果は大阪の4選挙区で全敗。石井氏は比例北関東から転じた埼玉14区で、国民民主党の前職に競り負けた。
石井氏の敗戦が濃厚となった27日夜、党ベテランは「代表が落ちるの? 信じられない」と驚きを隠さなかった。8小選挙区で全敗した2009年以来の厳しい結果に、党幹部は「やはり政治とカネの逆風がものすごかった。自民は問題を甘く見ていた」と振り返った。
今後は党の立て直しが焦点となる。石井氏は28日の会見で、自身の進退について「国会議員でなくなれば、いろいろな困難が伴う」と述べるにとどめたが、近く辞意を表明する方針だ。前代表の山口那津男氏は28日未明、記者団に「党の新しい体制をまた立て直して作っていかざるを得ない」と語った。【野間口陽】
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