自民党総裁選挙に出馬する小泉進次郎元環境相は9日、経団連本部を訪れ、十倉会長らと会談した。会談では賃上げや、正規・非正規労働者の格差是正、学び直し、中小企業の取引条件の改善などの労働市場改革、エネルギー問題などについて意見交換した。

小泉氏は「総裁選に勝利して総理総裁になった暁には圧倒的なスピードで改革を進めていきたい」と述べ、改革への意欲を伝えた。

また、経団連も導入を求めている選択的夫婦別姓について、小泉氏が国会に法案を提出し自民党の党議拘束を外して採決する方針を伝えると、十倉会長は「まさかそこまでの具体的な覚悟を示されるとは、非常に感じ入った」と評価したという。

小泉氏は会談後、記者団から、選択的夫婦別姓を導入した場合に兄弟間で姓が異なる場合が出るなどの懸念が示されていることについて問われ、「どういう案を国会に提出するかを含めて今後しっかり議論すればいい。家族の中で名字が違うことが家庭・家族の絆の崩壊につながるというのは必ずしも違うと思う。私自身、両親が離婚した中で弟と名字が違う。母とも違う。名字が違うからと言っても小泉家の絆は強い」と述べたほか、同姓を選び続けたい人の選択肢は守られることも強調した。

小泉氏は総裁選で掲げた政策の中に、経団連が強く求めている「解雇規制の緩和」を、賃金上昇に向けた労働市場改革として盛り込み、立憲民主党などからは経営者が労働者をクビにしやすくするだけだなどと批判が噴出している。

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