静岡県の川勝知事が退職届を提出するきっかけとなったのは、4月1日 静岡県庁の新規採用職員への訓示での発言でした。10日に退職届を提出するまでを振り返ります。

きっかけは県庁での“訓示”

静岡県・川勝平太 知事:
実は、静岡県庁というのは別の言葉で言うと「シンクタンク(政策研究機関)」です。毎日毎日野菜を売ったり牛の世話をしたり、あるいはモノを作ったりということ違って、基本的に皆さんは頭脳、知性の高い方たちです。

これは新年度を迎えた4月1日、県庁の新規採用職員に川勝知事が述べた訓示です。

「農業や畜産に関わる人々の知性が低いというのか」「すぐに辞職すべきだ」
特定の職業を比較し優劣をつけるような発言をした川勝知事に対し、県庁に批判が殺到しました。

取材に応じた川勝知事は「職業差別はしていない」と否定したうえで、「職種の違いを言っただけ」と釈明しました。


発言の翌日に辞意表明

しかし最後に突然…

川勝知事(4月2日):
どうしたらいいかと思っていて よく考えたが準備もありますから、 6月の議会をもって この職を辞そうと思っております

辞職を表明した川勝知事は、翌日の会見で辞職の理由としてリニア問題をあげました。

川勝知事(4月3日):
大きな区切りを迎えたというので今回ここで辞表が出せるに至った。この2~3か月でリニアの問題が大きく動いたというのが、ここで仕事が一段落したということで辞表を提出することになった理由です

“6月辞職”に自民会派など反発

知事は6月議会での辞職を予定していましたが、県議会の自民改革会議と公明党県議団が反発。早期の辞職を申し入れました。

公明党県議団・蓮池章平 団長(4月4日):
あす何が起こってもおかしくないような状況。自然災害も増えているので1日も早く、県政の危機管理の面からも新しい人にバトンタッチをしていただく体制をお願いしました

そして“職業差別”発言から9日後となった10日、川勝知事は予定を前倒しして退職届を議長に提出しました。

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