5月11日(土)に日本各地でオーロラを見ることができたというニュースがありましたが、視聴者の方から、「宮崎県内でオーロラが観測できる可能性ありますか?」という質問をいただきました。
MRTテレビ「Check!」の天気情報担当、気象予報士の野田俊一郎さんが解説します。

気象予報士 野田俊一郎さん

気象予報士 野田俊一郎さん
「今週はどうか?」というと、可能性は低いかなと見ています。
そもそも、宮崎県でオーロラが観測されたのかということですが、現在、名古屋大学で助教をされている早川尚志さんたちのグループが2017年にまとめた論文によりますと、1770年にオーロラが見られた可能性のある地点、文献を調べると、宮崎県でどうもこの年に見えた可能性があるということを発表されています。

このように過去見えた可能性があるということは、オーロラは宮崎で今後も見える可能性あると言っても大丈夫かなと思っています。

ただ、このように宮崎など緯度の低い場所でオーロラが見られる時には、別の「負」の影響というのも心配しておく必要が出てきます

普段から太陽からは、太陽風に乗って高エネルギーの粒子が地球に飛んできているのですが、普段は地球の周りを覆っている地球の磁気の力、磁石の力によって守られいて、高エネルギーの粒子ははじき飛ばされています。
しかし、太陽で大きなフレアが発生した場合には、太陽風が暴風化することで地球の磁気圏が大きく乱されます。
このような状況を磁気嵐というのですが、この磁気嵐が大規模になった場合には、航空機無線などの電波障害やGPSの測位精度が落ちたり、人工衛星の運用ですとか、場合によっては電力の安定供給までも影響が心配されることになります。

太陽の活動自体は、来年にかけてもまだ活発な状況が続くという予想もされていますので、今後、先週よりもオーロラの範囲が大きいとか、大規模なフレアの情報が出た場合には、こういったリスクもあるということも頭の片隅に入れておいていただければと思います。

(左から)川野武文AN 加藤沙知AN 野田俊一郎気象予報士

MRTテレビ「Check!」5月14日(火)放送分から

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