サッカー「高知ユナイテッドSC」は、今シーズン、チームをJ3入会に導いた吉本岳史(よしもと・たかふみ)監督が退任し、後任に、今シーズンJ3「いわてグルージャ盛岡」の社長を務めていた、元日本代表DFの秋田豊(あきた・ゆたか)氏が就任すると発表しました。
高知県四万十市出身の吉本監督は、現役時代、J1「名古屋グランパス」や、J2「水戸ホーリーホック」でプレーしました。引退後、「横浜FC」のU-14監督などを経て、2020年に高知ユナイテッドSCのトップチームコーチに就任し、2022年から監督としてクラブを指揮していました。
監督就任1年目の2022年はJFL11位の成績でしたが、2年目の2023年には、天皇杯でJ1の「ガンバ大阪」と「横浜FC」を破り、2度の“ジャイアントキリング”を達成して存在感を示したほか、JFLでも7位と順位を上げました。
そして、監督3年目として迎えた今シーズン、クラブは開幕からの“スタートダッシュ”に成功し、JFL歴代4位タイの「開幕7連勝」を達成するなど、シーズン前半はJFL首位を独走しました。夏の中断明け後は失速しますが、クラブ史上最高のJFL2位でリーグ戦を終え、「J3・JFL入れ替え戦」ではY.S.C.C.横浜との入れ替え戦で勝ち越し、悲願のJリーグ入会を果たしていました。
後任に監督となる秋田豊(あきた・ゆたか)氏は、愛知県出身の54歳で、現役時代は、「鹿島アントラーズ」、「名古屋グランパス」、「京都サンガFC」でプレーしました。日本代表でも活躍し、1998年のW杯フランス大会、2002年W杯日韓大会と、2大会連続で代表に選出されています。
現役引退後は、「京都サンガFC」、「町田ゼルビア」で監督としてクラブを指揮し、2021年には、当時"J3"だった「いわてグルージャ盛岡」を"J2"昇格に導いています。今シーズンはいわてグルージャ盛岡の社長を務めていましたが、クラブのJFL降格を受け、11月25日に退任していました。
高知ユナイテッドSCは、Jリーグ初陣となる来年のJ3開幕戦で「栃木SC」と対戦することが決まっていましたが、シーズン開幕を前に、吉本岳史監督は退任となりました。後任の秋田豊氏のコメントについて、クラブは「改めて掲載する」としています。
◆吉本岳史監督 退任コメント(高知ユナイテッドSC 公式サイトより)
「今シーズンでチームを退団します。この選択をするまで本当に悩み、非常に苦しい時間を過ごしました。共に想いをもって歩んできてくれた一人ひとりの顔が浮かばないわけがありません。ご納得いただけない方もいると思っています。それでも、いつか私の選択がこの大切な地元高知に何かを返すことができると信じて、この決断に至りました。これまで高知ユナイテッド SCで思いの炎を紡いでこられた選手、スタッフ、サポート企業、メディア、高知ユナイテッドSCに関わる全ての皆様。そしてどんな時もチーム、選手の背中を押し続けてくれた高知ユナイテッド SC サポーターの皆様。5年間本当にありがとうございました」
「思い返してみれば、コーチで2年、監督として3年。昨年の天皇杯の快挙、国体優勝、リーグ戦2位から悲願のJ3参入。高知ユナイテッドSC の歴史に1ページずつ刻むことができました。その喜びを忘れることはありません。 最高の仲間に出逢い、素敵な方々に支えていただいた至福な月日でした。 もっと成長し、もっと良い指導者になって、たくさんのサッカーファミリーに愛される人間力を身につけて、また皆様にお会いできることを楽しみにしています。 これからも挑戦と共に生きていきます」
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