クリスマスまで1か月あまり。熊本のクリスマスイベントでは、『真っ赤な顔の人気者』が出番を待っています。
熊本市の「アミュプラザくまもと」は、11月15日から本格的なクリスマス商戦に入ります。雑貨店の最前列にはクリスマスツリーやスノードーム、冬を感じさせるギフトが並び、駅前の広場では22日に始まる『クリスマスマーケット熊本』の準備も進んでいました。2018年にスタートし、年々規模が拡大しています。
去年(2023年)熊本駅の会場を彩ったのは、華やかなイルミネーションにオシャレなメニュー、そして、大きな「おばけの金太」でした。
それも、サンタクロースの格好をした「金太クロース」です。
「おばけの玩具」がサンタに転職 手がけたのは10代目人形師
「おばけの金太」とは、真っ赤な顔に黒い烏帽子、紐をひくと目を見開き舌を出す熊本の郷土玩具です。厚賀彦七(あつが ひこしち)という江戸時代の人形師が考え出したからくりが、今も変わらず受け継がれています。
手がけたのは厚賀新八郎(あつが しんはちろう)さん、彦七の子孫で代々続く人形師の10代目です。
人形師 厚賀新八郎さん「からくりの方法は変わっていません。よく考えたなと思います、江戸時代のことですから」「真っ赤な顔なんて、あんまりそういう人形ってないでしょう?非常に熊本らしいと思います」
巨大な金太をつくったきっかけは「コロナ禍」でした。
土産物の需要が落ち込み注文がない時期に、「いつかまた、たくさんの人に触れてほしい」と制作。去年のクリスマスマーケットでお披露目されたのです。
子ども達とたくさん遊んだ「勲章」付き
厚賀さん「おばけの金太」
子ども達「おばけのきんた?」
厚賀さん「金太さんがサンタさんになった!」
去年のお披露目では、うれしそうに子どもたちと遊んでいた厚賀さん。しかし、金太にちょっとした不具合が起きました。出るはずの舌が、出ないのです。
厚賀さん「引っ張った回数が多いんでしょう。子どもたちがこんなに喜んでくれて、嬉しいです」
厚賀さんはその場で調整し、金太クロースは無事復活。クリスマスの数日後、仕事を終えた金太が帰宅した時には舌は再び出なくなっていましたが、厚賀さんはうれしそうでした。
厚賀さん「大勢の人が引っ張って遊んでくれたので、こういう結果になったんだと思います。勲章、勲章!」「おつかれさんでした、今度は壊れないように作りますからね」
金太クロースは今年も再び、みんなに会いにやってきます。
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