片足で地面を蹴って、スピードをつけながら自転車に乗る“ケンケン乗り”。今この乗り方をしている人は、いるのでしょうか?

まず、街中でケンケン乗りについて聞いてみると…

(20代社会人)「できません。怖くて、こけるのが」
(10代学生)「やったことない」
Q周りの友達は?
(10代学生)「やっているところ見たことないです」
(20代社会人)「(ケンケン乗りを)やるっていう発想がまずなかった」

ケンケン乗りはやっていないという方がほとんど。そして、ケンケン乗りについてのみなさんのイメージは…

(20代社会人)「4、50代。主婦」
(10代学生)「うちのおばあちゃんは絶対やるんです。絶対やります!」
(30代社会人)「たまに、おばさんとかでも『上手だな~』と思ってみてました」

では、主婦が集まる場所でなら、リアルなケンケン乗りを見ることができるはず!ということで…

スローで再生 “ケンケン乗り”を徹底調査

(実況 高田寛之アナウンサー)
「さあ、始まりました。おそらく最初で最後になるであろう“ケンケン乗り”の徹底調査です。舞台は『いいものをどこよりも安く』スーパーマーケットミカワヤの駐輪場です。さあ、主婦のみなさんが、一体どんなケンケン乗りを見せるのでありましょうか!」

(高田アナ)「まずはこちらの女性ですが…さあ、ここから自転車に乗っていきます。どのように乗っていくか。左右をしっかりと確認しております。これは基本中の基本。あーっと!出ましたケンケン乗り!これぞケンケン乗りであります!」

「さあ、それではスローでもう一度見てみましょう。1回、2回とステップを踏み込んでからの…自転車へライドオン!いやぁ、これは見事であります!」

(スタッフ)「すみません、CBCテレビなんですが、自転車に乗るときどうやって乗られました?」

(女性)「今は片足でペダルをこいで乗りました。もう慣れているので…これが普通だから」

「ケンケン乗りの方がスピードが出るから」

(高田アナ)「さあ、続いてこちらの女性はどうでしょうか。滞空時間が長い!いやぁ、これは素晴らしい!滞空時間が長い“ケンケン乗り”!鮮やかに決めております!」

(スタッフ)「いつからそのスタイルですか?」

(女性)「昔からですね、最初から。ケンケン乗りの方がスピードが出るから。初めの一歩がスピードが出てくるから」

(高田アナ)「さあ、それではこちらの方はどうでしょうか。おー!っと美しいケンケン乗り!まだ乗ってはいませんが、この“ケンケン”が美しい。そして、おーっと、止まって左右を確認する。力強いケンケン乗りを発揮しております!一番の特徴はこのスタートの加速力。このスピードはスタッフもカメラも追いつけません」

(スタッフ)「速い…すみません、すみません!」「他の乗り方っていうのは、あんまり考えられないですか?」

(女性)「あんまり考えられない。大体ケンケン乗り」

2時間調査した結果、ケンケン乗りをしたのは30人中13人!そのほとんどが50代以上の女性でした。そこで、自転車に関する歴史的資料などを多く所蔵する「自転車文化センター」で理由を聞いてみると…

ママチャリ第1号は…今の自転車よりも4~7キロ重かった

(自動車文化センター 谷田貝一男さん)
「ちょうど1956年ごろから、女性用の自転車が急速に発売が始まった。ところが当時の自転車というのは、今の自転車と違って、重さが4~7キロくらい重かった」

ケンケン乗りが生まれるきっかけとなったのは、高度成長期。1950年代後半のママチャリの登場。

自家用車が普及し、自転車の売り上げが低迷していた自転車メーカーでは、新たに女性の顧客層を獲得しようと、前カゴ付きでサドルの位置が低く、女性でも乗りやすい、ママチャリの第1号「スマートレディ」を発売しました。

「スマートレディ」は、当時の主婦の必須アイテムとして、花嫁道具に使われるほどの大ヒット商品となりましたが、自転車のフレームは鉄製で、重さは約25キロ。

そのため、力の弱い小柄な女性が乗る際には、加速が必要で、片足で助走をつけて発進するケンケン乗りがあみだされたのです。

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