県内41市町村の魅力をお伝えする企画、「わがまちLink41」。今回は南城市、コストコの開業に沸く地域に、秋になると現れるちょっと変わった光景があるということで、與那嶺キャスターがさっそく見に行ってきました!
まずは、ちょっと変わったその光景について地元の人に聞いてみると…
▽地元住民
「最初見たときはびっくりしました」
「毎日通るたびに増えていたから怖かった!」
「ドレスが可愛い」
様々な声が聞かれるその光景は、玉城小学校近くにありました。
與那嶺キャスター
「あれかな? 見えてきましたね、ちょっと派手は服装をした人が何人か並んでいるように見えます…」
滑り台で遊ぶ子どもや、ベンチでひと休みする親子。今にも動きだしそうな集団は…リアルな「かかし」です!
道行くドライバーも気になる様子で通りすぎていきます。
そんな「リアルかかし」を作っているのは、當山喜邦さん(71)。
旅行で訪れた大分県で初めてみたリアルかかしに感銘を受け、「自分でも挑戦したい」8年前に始めました。
なかでもお気に入りは…
▽當山喜邦さん
「おばあさんをイメージするために腰を曲げて作ったんですよ。年配のお客さんから人気です」
クリスマスには、サンタクロースの格好をさせたり…旧正月には晴れ着でおめかしをさせたりと、地域の目を楽しませてきました。
雨の日は全てにかっぱを着せるため、天気予報見ていつも気にしているそう。
かかしの側の畑では、オクラやバナナなど数種類の作物を育てている當山さん。これだけかかしを置いていると害獣被害もなく安心かと思いきや…
「カラスは頭がいいから慣れたら関係ない。バナナは赤くなったらすぐとられる」
ーあまり役には立っていない?
「ただの飾りで(笑)」
當山さんの自宅には、伺うと…業務用のミシンやアイロン台が並んでいました。実は當山さん、前職は?
「背広仕立ての職人です。30年あまりやっていましたね。洋服が出来上がるのが、段々(技術を)覚えていくのが楽しかった」
當山さん、30年あまりのキャリアを持つスーツ職人だったんです。今でも度々ミシンに向かうという當山さん。その表情はまさに職人そのもの。
かかし愛が止まない富山さんにご家族は―
▽妻・春美さん
「最初はリアルっていうか怖い感じもしたんですけど…でも一生懸命やっている姿を見て、地域の人も喜んでいるんで良かったかな、って今は思っています」
「元気なうちはさせても良いかなぁって思っています(笑)」
▽當山喜邦さん
「いいですね、元気な間はやります!」
「みんなに見に来てほしいですね。みんなが喜ぶのを見て楽しくて続けていますので」
南城市を訪ねると、人々の喜ぶ顔が見たさに「リアルかかし」作りに奮闘する元スーツ職人の姿がありました。
<取材MEMO>
現地はグーグルマップで「屋嘉部のかかし」と掲載されているので、地図を頼りに訪ねることもできます。
今では、地域の方々からかかしの洋服や小道具を譲ってもらうこともあるそうで、當山さんのかかしのファンという方が、お手紙や写真を送ってくれることもあるそうです。
現地は歩道が狭い上り坂で、カーブしている場所です。安全に気をつけて見学なさってください。(取材 與那嶺啓)
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