『もしかして…』コンビニで食い止められた高齢男性の特殊詐欺被害。「ギフトカードを買いたい」その一言で感じたコンビニ店長の違和感とは…。

富山県高岡市にあるファミリーマート高岡戸出店。

この店で長く店長を務めているのが井上亮司さんです。7月29日午後5時半ごろ、普段通りレジでお客の対応をしていると、高齢男性が「3万円分のギフトカードを買いたい」と言ってきました。

『もしかして・・・』

「ギフトカード」井上さんがこの一言で異変を察知しました。

「ギフトカードを買いたい」この一言で感じた異変…

井上亮司店長「当店では『ギフトカード』というものの扱いがそもそもないので、よく言われるのが『ポサカード』『アップルカード』とか『アマゾン』のカードと表現されるお客様はもう内容わかっていると思うんですが、『ギフトカード』どこですかと話されたので『ん?ギフトカード?』って」

カードの種類を把握していないことや高齢男性が高額なカードを購入することを不自然だと感じ、『もしかして、詐欺かもしれない』と思いました。

そこで、井上さんが、高齢男性にギフトカードの利用目的を確認すると男性は「パソコンが動かなくなり、画面に表示された電話番号に連絡したところ、ギフトカードを買いに行くように言われた」と話したといいます。

実はこれが2度目…

井上さんは、以前にも70代の男性の詐欺被害を食い止めたことがありました。その時は、70代男性が午後8時頃、ネットで買い物やゲームに課金できる『ポサカード』を探していました。

「遅い時間」「高齢男性」ということから『もしかして…』と思い、70代男性に声をかけたといいます。すると男性は、「パソコンがウイルス感染したかのような画面が表示され、画面に記載されたサポート窓口に電話をかけると、ポサカードを買いに行くようにいわれた」と話したということです。

井上さんは、70代の男性に電話先が『国際電話』だったことなどを踏まえ、サポートの名目で金銭を騙し取る『サポート詐欺』という手口について説明し、警察に通報。特殊詐欺被害を未然に防いだという「実績」があったのです。

「ただモノを売るだけでなく…」店長の心意気に“あっぱれ”

あの時とほぼ同じ…。

今回の高齢男性も、前回と同じように来店する前に『国際電話』に電話していたことがわかり、特殊詐欺だと確信。男性を15分にわたって説得し、警察へ相談するよう促しました。

井上亮司店長「結構ご年配の方がお客さんで来られます。地元に密着型の店舗として、ただ物を売るのではなく、そういうところまでお客さんに目配りできたのがよかった」

富山県内でも急増している特殊詐欺被害。そんな中、井上さんは長年のレジ対応の経験から特殊詐欺の手口や傾向について気づいたことがあります。

井上亮司店長「昔は5万円、10万円という金額でしたが、今は1万円とか3万円とか金額を小さくして、何回もやらせる。1回やってしまったら、また同じ手口でやってくるので、一回目でとめることが大事。年配の方たちの老後の貴重なお金がとられてしまうのは非常に腹立たしい」

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